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“世界一”を知る「なでしこ新ヒロイン」の素顔…宮澤ひなた「サッカーで夢が叶うなら嬉しい」、長谷川唯「もっと突き詰めれば上を」
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byKatelyn Mulcahy - FIFA/Getty Images
posted2023/08/09 10:30
ノルウェー戦、喜びを分かち合う宮澤ひなたと長谷川唯
1-1で迎えた後半開始早々、日本が相手ゴール前に押し込んだところで起きた相手パスミスに反応したのは右サイドの“大外”にいるはずの清水だった。ボールをインターセプトするやいなやゴールに蹴り込み、勝ち越し点を奪い取った。
2021年のプロ女子サッカー国内リーグ「WEリーグ」が開幕した当時、清水はベレーザのキャプテンを務めていた。なでしこジャパンの常連ということもあって開幕戦となる三菱重工浦和レッズレディース戦を前に、選手宣誓の役割も務めた。
「スタンドを見渡せば小さい子から大人までたくさんの方々が来場してくださって……」
当時は新型コロナウイルス感染症対応ガイドラインもあって、会場の国立西が丘サッカー場に詰めかけたのは2427人。WEリーグ開幕直前に行われた東京五輪でベスト8に終わったこともあり世間的な注目がなかなか高まらなかったが……清水は会場に詰めかけた女子サッカーファンへ、心からの感謝を口にしていた。
“まるでモドリッチ、デブライネ”な長谷川唯
<名言3>
もっと突き詰めてプレーすれば、上を目指せるという感覚も掴めました。
(長谷川唯/Number997号 2020年2月13日発売)
https://number.bunshun.jp/articles/-/842783
◇解説◇
正確無比なスルーパスは同じマンチェスター・シティ所属のデブライネか、攻守にわたるハードワークはモドリッチか、日本代表で言うなら中田英寿のような存在感、いやいや、なでしこの心臓となっているという意味で、やはり澤穂希か……。
ノルウェー戦後、SNS上で26歳の長谷川をめぐる“たとえ”が話題となった。
当然だろう。相手守備陣にとって致命傷となり得るスペースにスルーパスを送り込んだかと思えば、清水の勝ち越しゴールを生み出す契機となるゴール前への飛び出し。さらには体格で勝る相手選手とのデュエルに完勝し、軽やかなドリブルで相手マーカーを次々に外していく。ノルウェー戦は世間が彼女のポテンシャルに気づくきっかけとなったといっていい。
2014年の女子U-17W杯優勝メンバーとして、長谷川は10代の頃から将来を嘱望された。