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「オオタニは6億ドルの価値がある」 クラブハウスの大谷翔平に大人達が集まり…異例の歓声だけじゃなかった、球宴選手からの“ラブコール”
posted2023/07/15 17:03
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
JIJI PRESS
「Come to Seattle!」
チケット完売の47159人のファンで膨れ上がった満員のTモバイル・パークから沸き起こった「シアトルに来て!」の大合唱。球宴の舞台で打席ごとに起こったラブコールに大谷翔平は嬉しさ反面、反応に苦慮していた。
「ちょっと複雑な気持ちでしたけど(苦笑)、打席は打席で集中したいなと」
シアトルを本拠地とするマリナーズは言わずと知れたエンゼルスと同地区のライバル球団。敵のエース兼主砲に対し、ブーイングは起こっても、公開ラブコールが送られるのは93回の歴史を持つオールスターゲームでおそらく初めてだろう。『異例』は既に大谷の代名詞とも言えるが、今回も異例中の異例。結果は1打数無安打1四球も主役を務めたのは間違いなく大谷だった。
前日の公式会見から選手、関係者、各国のメディアの間では大谷の去就問題で持ちきりとなった。このオフにFAになる大谷はどこへ行くのか、契約額はいくらになるのか。選手たちでさえ語り合うほどだった。
ドジャース捕手の熱烈勧誘「僕は彼を待ち焦がれているよ」
移籍となれば、最有力候補とされるドジャースの正捕手ウィル・スミスの勧誘は熱烈だった。
「95%うちに来るんでしょ? 彼には是非ドジャースに来て欲しい。ワールドシリーズ制覇に貢献して欲しい。来年、彼の球を受けたいね。僕は彼を待ち焦がれているよ」
勧誘はドジャースだけにとどまらず、前半戦を60勝29敗の最高勝率で終えたブレーブスの選手たちも同様だった。まずは正捕手のショーン・マーフィー。
「大谷は多くのお金を手にするに値する選手だ。どのチームだって彼を獲得しようとするだろう」
正一塁手のマット・オルソンも同じだった。
「うちに来てくれるかはわからないが、彼ならば行きたいと思うチームのどこにでも行けるよ」