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大谷翔平は本塁打王を獲れる?「不安要素はライバルの打者ではなく…」エンゼルス残留か移籍か、全てのカギを握る「リスタート」の十番勝負

posted2023/07/13 11:02

 
大谷翔平は本塁打王を獲れる?「不安要素はライバルの打者ではなく…」エンゼルス残留か移籍か、全てのカギを握る「リスタート」の十番勝負<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

前半戦は長打力が際立った大谷翔平

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小早川毅彦

小早川毅彦Takehiko Kobayakawa

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Nanae Suzuki

 エンゼルス・大谷翔平は日本時間7月15日、先発を予定するアストロズ戦での投打二刀流から後半戦をスタートする。32本塁打と絶好調だったバッティングの進化と、ホームラン王獲得への課題とは? メジャーリーグに精通するNHK解説者・小早川毅彦氏に聞いた。

 前半戦を終えてホームランは32本。昨シーズンの同時点では19本でしたから、その長打力は際立っているように思えます。進化の理由で一番大きいのはやはり、体自体がパワーアップしたことでしょう。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の時点からトレーニングで一回り厚みを増した体が話題になっていましたが、前半戦のハードな日程を過ごす中でもその体をしっかりと維持しています。

 体が大きくなったことに伴って、回転の鋭さが増し、スイングスピードも確実に速くなっている。昨シーズンに比べて、打席でピッチャーの球に対して体勢を崩したり、タイミングを外されたりするスイングが格段に少なくなっているのがその証です。

 ホームランの打球方向もしっかりとセンターを中心に飛んでいます。一方で、6月14日(日本時間15日)のレンジャーズ戦で左腕のスミスから放った21号は、逆方向のレフトへ116マイル(約186km)を超す打球速度をマークしました。これは、計測が始まって以来、左打者が左方向へ放った打球としては最速だそう。パワーアップを示すこのような打球も増え、「打者・大谷」は、さらに凄みを増しています。

【次ページ】 ホームラン王獲得の不安要素は…

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