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大谷翔平が「15歳差の師匠」と過ごした特別な時間…“オオタニさんの新人時代”を支えた大打者プホルスの感激「よくバットを振ってる。脱帽するね」
posted2023/07/03 17:03
text by
斎藤庸裕Nobuhiro Saito
photograph by
AFLO
エンゼルス大谷翔平投手(28)が、過去最高の数字で6月を終えた。打率3割9分4厘、15本塁打、29打点で打撃2冠。6月の1カ月間に限れば、OPS1.444はメジャーの歴史で戦後最高値だった。今や、ひいきチームの応援だけでなく、大谷を見に行こうと球場に足を運ぶファンが本拠地、敵地を問わず多くなっている印象が強い。
大谷翔平と大打者プホルス
4年前と、反応が大きく変わった球場があった。カージナルスの本拠地、ミズーリ州セントルイスのブッシュ・スタジアム。今年の5月上旬、大谷は大きな拍手で歓迎され、登板日の平日夜には4万人超が集まった。同地で初めてプレーしたのは、右肘のリハビリのため打者に専念していた2019年だが、代打での出場のみで注目度は低かった。カージナルスの番記者が「大谷はその時、ケガで出ていなかったはすだ」と勘違いするほど、印象が薄かった。
主役は昨季限りで引退したアルバート・プホルス氏(43)だった。カージナルスから12年に移籍し、21年途中までエンゼルスに所属していた通算703本塁打のレジェンド選手。移籍してから初の凱旋(がいせん)シリーズで、セントルイスのファンから大歓迎された。今季の大谷も打席ごとに拍手が送られたが、当時のプホルスに対しては毎打席、スタンディングオベーションの拍手喝采。まれに見る特別な光景だった。
新人だった大谷がプホルスから学んだもの「スターだな」
このとき、大谷はプホルスのスター性を目の当たりにしていた。
「すごかったですね。エンゼルスタジアムなのかなっていうくらい盛り上がっていましたし。ホームランを打って、打つべきところでしっかり打って、やっぱりすごいなというか、スターだなって。ベンチからはそういう風に見えたかなと」