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井上尚弥の対策は? その時、最強王者フルトンはなぜ“ニヤリ”と笑ったのか…“世紀の一戦”を前に激白「オレの方がより賢明なボクサーだ」

posted2023/06/30 11:03

 
井上尚弥の対策は? その時、最強王者フルトンはなぜ“ニヤリ”と笑ったのか…“世紀の一戦”を前に激白「オレの方がより賢明なボクサーだ」<Number Web> photograph by L)Hiroaki Yamaguchi R)JIJI PRESS

井上尚弥との対戦まで1カ月を切った今、フルトンは何を語ったのか。井上の負傷によって“延期”となったことにも言及した

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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L)Hiroaki Yamaguchi R)JIJI PRESS

 日本ボクシング史上最大級の一戦までもう1カ月を切った。

 バンタム級の4団体統一王者になった井上尚弥(大橋)が7月25日、1階級を上げて有明アリーナでWBC、WBO世界スーパーバンタム級王者スティーブン・フルトン(アメリカ)に挑む。

 プロデビュー以来21戦全勝(8KO)のフルトンは、スキル、スピードなどをすべてハイレベルで備えたオールラウンダーである。これまでほぼ無敵の快進撃を続けてきた“モンスター”井上は、スーパーバンタム級での初戦でいきなり階級最強と目される無敗王者と対戦することになった。このスリリングな一戦はアメリカでも大きな注目を集め、当日は午前中の時間帯にESPN+で生配信が予定されている。

 古都フィラデルフィアの危険な地域で育ち、心身両面のタフさは筋金入り。身長169cm、リーチ179cmというフェザー級でも十分に通用するサイズを持ち、技術、身体能力、マラソンランナー顔負けのスタミナまで備えたフルトンは、この大一番でいったいどんなボクシングをみせてくれるのか。

 6月中旬、リモートながら1対1の独占インタビューでフルトンにじっくりと話を聞いた。“クールボーイ(格好いい男)・ステフ”という愛称を自らも好む28歳(試合時は29歳に)の言葉からは、隠しきれない井上へのリスペクト、警戒心と、「キャリア最大の一戦」と自ら認める戦いへの意気込みが滲み出てきた。

「(予定は)決まっているけど、教えない」

――現在はまだフィラデルフィアで調整し、このまま井上戦まで故郷に留まるのでしょうか?

スティーブン・フルトン(以下、SF)  いや、今はフィラデルフィアにいるけど、もう少ししたらロサンゼルス(LA)に行く。そこで1週間くらいトレーニングし、そのままLAから日本に飛ぶ予定だ。

――来日のスケジュールは決まっていますか?

SF 決まっているけど、それは教えない(笑)。ある日突然、日本にいる俺の姿を見ることになるだろう(笑)。

――なるほど(笑)。ここで改めて聞きたいのは、井上選手との対戦を承諾した理由です。すでに体重調整が厳しく、もうフェザー級に上げると伝えられた中で、なぜ井上戦に向かったのでしょう?

SF 井上戦は俺にとっても理にかなった試合だったからだ。いいカードで、彼が階級を上げると発表した時点で追い求めるべき戦いになった。実はもう何年も前から、自分がいずれ日本で戦うことになるとわかっていたんだよ。

――それはどういう意味でしょう? 来日戦を予期していたということですか?

【次ページ】 2年前から井上戦を確信?「未来の映像が浮かぶ」

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