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「日本戦より“ひどい試合”がある」ドイツ人ベテラン記者が振り返る、代表史上最悪&ベストゲーム「2014年優勝の時にメッシが…」<ドイツ代表1000試合> 

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中野吉之伴

中野吉之伴Kichinosuke Nakano

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photograph bydpa/JIJI PRESS

posted2023/06/28 17:01

「日本戦より“ひどい試合”がある」ドイツ人ベテラン記者が振り返る、代表史上最悪&ベストゲーム「2014年優勝の時にメッシが…」<ドイツ代表1000試合><Number Web> photograph by dpa/JIJI PRESS

6月12日に通算1000試合目を戦ったドイツ代表。長年ドイツ代表を見守ってきた記者・リポーターに「忘れられない試合」を聞いた

「ショッキングな敗戦だったのは間違いない。ただ、絶望的なものだったかというと少し違うと思うんだ」

 そう話してくれたのはフロリアン・ラインエッケ。ドイツリーグ連盟(DFL)を中心に活躍するベテランフリーライターで、ドイツ代表にも造詣が深い。

 ラインエッケ「例えば18年の敗退とはちょっと違う。あの時はプレー内容的にも全てが悪かったけど、カタールでは試合内容自体はそこまでひどいものではなかったから。ただ日本相手に1-0から前半のうちに2-0、3-0とできたし、しなきゃいけない試合だったのに、決定機を逃し、逆に後半自滅気味に負けてしまった」

怒る気にもなれなかった2000年EURO

 ここ数年ずっと問題にされているチームとしての不安定さを大きな問題としてあげつつも、歴史を振り返るとあの時よりはるかに大きな絶望感にさいなまれた時代があったことをラインエッケは示唆していた。

 ラインエッケ「大会全体のパフォーマンスでいうと、2000年欧州選手権は本当にひどかった。なにもいいところがないまま終わった。グループリーグ3戦目ではメンバーを温存してきたポルトガル相手にノーチャンスでの0-3完敗。私はスタジアムにいたんだ。がっかりどころか、興醒めというか怒る気にもなれないほどよくなかった。2004年の欧州選手権でも失望は続いた。負けてもしょうがないようなパフォーマンスの連続。ドイツにだってそんな時代はあったんだ」

 あの時のドイツは自分達のミスをこれでもかと自覚し、トップレベルから遠く離れた立ち位置を受け入れざるをえなかった。旧態依然としたままではここから抜け出せないという決意をし、他国に頭を下げて様々なことを学んだ。そして自分達のすべてを変える覚悟で育成改革を導入し、大変革を遂げることができた。

 今のドイツはその時と比較したらチームや選手が持っているクオリティは相当違う。殆どの代表選手が世界最高峰の欧州チャンピオンズリーグに参加するクラブで普段からプレーしている。でもそれだけの戦力を誇っているのだから、そのうちきっとまた上手くいくときがくるという希望的観測で何とかなるような時代ではない。他国のレベルもまた急ピッチでどんどん上がってきているのだから。

日本の情熱的な守備

 ラインエッケは日本戦を例に、ここ最近のドイツの問題点を次のように指摘していた。

【次ページ】 最後はドイツが勝つ、ではなく…

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