「優勝を目指さなきゃいけない」リーチとディアンズが紡ぐ夢物語。

「目標は優勝です」

　リーチマイケルは真顔だった。浦安で始まった合宿で、日本代表の大黒柱は、自身4度目の挑戦となるW杯の頂点を見据えていた。

「前回の大会ではチームの目標がベスト8だったから、達成した時点でゴールのような空気があった。でも僕はベスト8じゃなく優勝したい」

　簡単に口にできる言葉ではない。2019年W杯日本大会でアイルランドとスコットランドを破って8強に進んだ日本だが、以後3年半、上位国からは1勝もできていない。リーチもそれは承知の上だ。

「今の時点で優勝する自信はあるか？　と聞かれたら、ないです。その自信をこれからの合宿のハードワークで作って、W杯の舞台では、相手と同じ目線で戦えるようにしたい」