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「どうする早稲田」大学ラグビー王者・帝京にまたも完敗…“油断なき才能軍団”との差は埋まるのか?「帝京はどこまで強くなる気なんだ」

posted2023/07/06 11:00

 
「どうする早稲田」大学ラグビー王者・帝京にまたも完敗…“油断なき才能軍団”との差は埋まるのか?「帝京はどこまで強くなる気なんだ」<Number Web> photograph by Yuka Shiga

春季大会の最終節で帝京に21-60と完敗を喫した早稲田。大田尾監督がキーマンに指名する主将の伊藤大祐(左)にとっては学びの多いゲームだった

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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Yuka Shiga

 大河ドラマではないが、「どうする早稲田?」という言葉が浮かんだ。

 春シーズンを締めくくる帝京との試合。今年1月の大学選手権決勝で20対73という敗戦を喫した相手だけに、早稲田には期するところがあっただろう。しかし、現実は甘くなかった。

 21対60。完敗である。

 早稲田が失点するパターンは決まって、スクラムが絡んでいた。アタックの最中にハンドリング・エラーが起きて、帝京ボールのスクラムになる。帝京ディフェンスのプレッシャーが早く、練習では体験できない間合いでのプレーを強いられたことで、エラーが起きたと想像される。

 そしてそのスクラムでコラプシングの反則を犯し、タッチキックで陣地を押し込まれる。あるいはマイボールのスクラムを押され、ボールを奪われる。スクラムでFWが無力化されたところを攻められ、トライを奪われる。

 スクラムの力量差は歴然としていた。

もしトライを取れていたら…15分間の攻防

 スコアでは大きな差がついてしまったが、この試合で唯一、勝敗にかかわる「攻防」があったのは、帝京が前半19分にLO本橋拓馬(3年・京都成章)のトライで19対0とリードを広げてからの、およそ15分間である。そこから早稲田はチャンスを作った。

 特に前半26分、敵陣10m地点でのラインアウトから右へ展開し、FL粟飯原謙(2年・桐蔭学園)がラインブレイク、ゴール前10mまで迫ったサインプレーはタイミング、角度とも見事に設計され、かつ選手の実行力を示した。

 このプレーをスローモーションで検証してみると、面白い。

【次ページ】 モニターに映る10人の帝京ディフェンス

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