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大谷翔平“2年前に成績下落”HRダービーは辞退すべき?「超広角ホームラン」「4.9日に1度登板」MVP→WBCからまた進化したけど…
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byNanae Suzuki
posted2023/06/28 17:02
切れ味を増すばかりの二刀流で、WBCから今シーズン出ずっぱり状態の大谷翔平。HRダービーはどうする?
広角に安打が打てる打者を「スプレーヒッター」というが、大谷は「スプレーホームランバッター」になりつつある。これは投手にとっては、まことに厄介なことになる。
左投手も苦にせず、球宴もスタメン決定
〈対左投手 カッコ内の数字は1打数当たりの本塁打〉
2021年 46本
右投手 28本(.083)
左投手 18本(.091)
2022年 34本
右投手 25本(.066)
左投手 9本(.044)
2023年 28本
右投手 21本(.094)
左投手 7本(.083)
2021年、左打者の大谷はむしろ左投手を得意にしていたものの、昨年は左投手をやや苦手にしていた。しかし今年は一昨年と同じレベルに戻ってきている。強打者は右左の別なく投手を攻略する。大谷もそのレベルに達していると言えよう。
これだけの成績を挙げているから、当然のことではあるが――大谷は日本時間7月12日朝に行われるMLBのオールスターゲームに出場することが早々と決まった。今年はファン投票第1フェーズでア・リーグ1位となる264万6307票を得て、他のポジションの選考に先駆けてDHでのスタメン出場が決まっている。
MLBのオールスターでは投手はファン投票ではなく、関係者間の投票で決まるが、投手としての出場も有力視されている。
昨年、大谷は1番DHで2打席に立ち1安打したがマウンドには上がらなかった。しかし2021年はア・リーグ先発として1回14球を投げ3者凡退、打者としては1番DHで2打席凡退している。今年も先発兼DHで出場する可能性が高い。
2年前の「オールスター前後」の成績を見てみると…
さらに大谷は、2021年に次いで、オールスター戦の前々日に行われるホームランダービーに出場するのではないかと言われている。
2021年の大谷はオールスター前の時点でア・ナ両リーグ1位の33本塁打を打っていたこともあり、ホームランダービーに出場したが、最初のステージである準々決勝でワシントン・ナショナルズのファン・ソトと対戦し、28本対31本で敗れている。3分の間に何本スタンドインできるかを競う過酷なルール。当初は楽しそうにバットを振っていた大谷だが、後半になると「疲れた」を連発した。
ホームランダービーの後に、調子を崩す選手がいると言われるが、この年の大谷は後半戦、成績が下落した。