棋士ビッグカップル結婚、達人戦創設…将棋界が華やか！

　藤井新名人以外にも、5月の将棋界はものすごく華やかな話題が多かったので……振り返っていきましょう。

　まずは「ABEMAトーナメント」ではチーム永瀬、チーム稲葉、チーム斎藤、チーム羽生がそれぞれ本戦トーナメント進出を決めています。お馴染みのチーム動画では羽生先生が弓を射ったり、斎藤慎太郎八段は決起集会を開いて士気をUPしたり（黒田尭之五段に対する「黒田くんはリア充大嫌い」のサムネイルがスゴいインパクトです・笑）。対局とともに楽しんでいます。

　おめでたいニュースと言えば、本田奎六段と山根ことみ女流二段のご結婚!!　おめでとうございます……！ 若手のホープである本田六段と人気女流の山根さんのビッグカップルということで将棋ファンは自分の親戚のことのように喜びましたが（笑）、棋士の方々のツイッターを見ると皆さんも温かく見守っていたのかなと。こういった“学校の部活”のような空気感が、将棋界を見ててほっこりする理由なのかも、とも。

　これはぜひ見てほしい……という小ネタで言うと、大橋貴洸七段です。日本将棋連盟のサイトには棋士データベースという、いわゆる「名鑑」的な形で各棋士のプロフィール写真が載っているんですが、折を見て写真が更新されます（羽生先生が更新されたときも話題になりました）。で、今回大橋七段が更新されたわけですが……真っ赤なバックを背景に、赤スーツに赤ネクタイ!!　“藤井キラー”と称されるとともに、以前から超ファッショナブルないでたちで話題の大橋七段ですが、パワーアップしてきたなと（笑）。

藤井七冠が記した「温故知新」、そして「達人戦」

　そして最後に、新たな観点での棋戦が創設されました。「達人戦立川立飛杯」です。50歳以上の棋士が戦うトーナメント大会で、予選通過した4人と永世資格を保有する谷川浩司十七世名人、羽生九段、佐藤康光九段、森内俊之九段の計8人が本戦に挑む舞台が誕生しました。佐藤会長、まさに丸太流のパワーを会長職でも発揮……。僕の妻氏のように近年ファンになった観る将の方々も、大棋士の指し回しを堪能できる機会が来たのだから、喜ばしい限りです。

　ちなみに新名人となった藤井七冠は色紙に「温故知新」と記したそうですが、ご本人も「谷川先生の揮毫した素晴らしい言葉だなと思っています」と、歴代の大棋士に学ぶ姿勢をより高めていこうと話していたそうです。達人戦は、棋士にとってもファンにとってもそんな機会になるのかもしれません。

【次ページ】　谷川浩司十七世名人の“祝福コメント”がとても粋