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藤井聡太七冠20歳に「最年少名人を無事お渡しできた」谷川浩司十七世名人の祝福に観る将マンガ家も胸キュン…「若手棋士カップルご結婚も!」 

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千田純生

千田純生JUNSEI CHIDA

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photograph byKeiji Ishikawa/Junsei Chida(illustration)

posted2023/06/03 06:01

藤井聡太七冠20歳に「最年少名人を無事お渡しできた」谷川浩司十七世名人の祝福に観る将マンガ家も胸キュン…「若手棋士カップルご結婚も!」<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa/Junsei Chida(illustration)

2023年6月2日、一夜会見に臨んだ藤井聡太七冠と、イラストで描く「5月の将棋ハイライト」。マンガは関連記事からもご覧になれます!

<藤井七冠:5月の対局結果>
 5月6日 叡王戦第3局○ vs菅井竜也八段
 5月10日 王座戦挑戦者決定T1回戦○ vs中川大輔八段
 5月13、14日 名人戦第3局● vs渡辺明名人
 5月21、22日 名人戦第4局○ vs渡辺明名人
 5月28日 叡王戦第4局○ vs菅井竜也八段
 ※叡王防衛
 5月31日、6月1日 名人戦第5局○ vs渡辺明名人
 ※名人奪取

 名人奪取が大きなトピックとして扱われましたが、5月28日の叡王位3連覇もまた偉業です。さらに「永世叡王」の条件が「通算5期保持」となり、藤井七冠は「あと2」としています。棋聖や王位を含めると……最速で八大タイトルの「永世」となる資格を得るのが21、22歳かもしれないと考えると、これもまたすさまじいことです。

 その一方で防衛を決めた第4局翌日には、対局場が岩手県宮古市ということもあって、岩手県出身の小山怜央四段とともに「三陸鉄道の一日駅長」になる……これって王将戦の「勝利の記念撮影」じゃないか? とふと思いましたが、藤井七冠の希望という報道を見ましたし、その笑顔を見ると電車好きとして本当に嬉しいことなんだなと。

 菅井八段は第1局前に「最高の居飛車対最高の振り飛車」と今回の戦いを表現しましたが――第4局は2度の千日手となったことで“1日3局”を指すタフな戦いとなった中で……最後まで藤井七冠の牙城を崩そうと食い下がり、自らのスタイルを貫いたカッコよさを見ました。

5月、藤井竜王に勝利したのは渡辺前名人だけだった

 藤井新名人と相まみえる対局相手がカッコよく見えるというのは、将棋ファンあるあるです。藤井新名人にまたもタイトルを奪われる形になった渡辺前名人。編集担当さんとともに「“渡辺九段”というの、呼び慣れないですね……」とLINEし合ったのですが、それもそのはず。渡辺前名人は2004年末に20歳で竜王を獲得して以来、常に何らかのタイトルを保持し続けていました。その期間、なんと18年半。さらに今月の藤井七冠の対局結果を見ても、唯一勝利したのが渡辺前名人です。悔しい結果とは思いますが、こうやって見ても、偉大な棋士であることは将棋ファンの誰もが知っています。

 さらには「八冠制覇」なるかが注目されることになるだろう王座戦挑戦者決定トーナメントでも中川大輔八段に勝利し、ベスト8に進出しています。渡辺前名人、羽生善治九段、豊島将之九段(ふ、振り飛車……三間飛車穴熊を採用!)らも歩みを進めている中で、果たしてどのような戦いを見せるのか!

【次ページ】 藤井七冠が記した「温故知新」、そして「達人戦」

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