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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「王様ペレの生家周辺が“ペレを愛しすぎ公務員”ほぼ1人の力で…」構想30年“ペレ尽くしの町”にビックリしたので写真を撮ってみた
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byFernand Ortiz
posted2023/06/05 11:01
2012年、「カーザ・ペレ」のオープンに出席したペレ(フェルナンド・オルチス提供)。史跡化された町がスゴかった
この広場は、ごく最近まで、近郊の町の大農場主だった人物の名を取って「ジョゼ・マルチンス大佐広場」という名前だった。しかし、フェルナンド・オルチスがこの人物について調べたところ、彼は43人の黒人奴隷を使役していたことが判明した。
オルチスは、「黒人であるペレの銅像が建っている広場が、大勢の奴隷を使っていた男の名前であってよいはずがない」と考え、市議会に働きかけて昨年10月、「ペレ広場」と改称したそうだ(このことは、後にオルチスから聞いた)。
“ペレ愛”が凄まじすぎる公務員さんが…
広場に面して、純白の2階建ての建物があった。「ペレ生誕地ミュージアム」である。
中に入ると、ペレの現役時代の写真、在籍したクラブとブラジル代表のユニフォーム、ジュール・リメ杯のレプリカなどが展示されてあった。さらに、今年のペルナンブコ州決勝戦に登場したペレの巨大人形も陳列されていた。
これらの展示品を眺めていると、オルチスが姿を現わした。
彼のこの町とこの町で生まれたキング・ペレへの愛、「カーザ・ペレ」建設を実現するまでの長い歳月に渡る苦労、そして今は亡きペレへの思いをたっぷり聞いた。
<#2につづく>
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。