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三浦孝太は「瞳孔ガン開きで睨んできた」…“成り上がり男”YA-MANはカズの息子をどう丸裸にしたのか?「もっと温厚かと思ったけど…」
posted2023/05/10 17:03
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph by
RIZIN FF Susumu Nagao
「これがMMA(総合格闘技)か……」
1ラウンド3分13秒、パウンドの連打によって三浦孝太からレフェリーストップ勝ちを収めた瞬間、YA-MANは我に返った。試合中の彼は、無の境地にいる。試合開始のゴングが鳴れば、勝手に動く身体に全てを任せているのだ。
試合前のYA-MAN「ラウンドが長引けば不利になる」
『RIZIN.42』(5月6日・有明アリーナ)で組まれた、5分2ラウンドのMMAデビュー戦。ファンや味方陣営からみれば、理想的なフィニッシュだったといえるのではないか。ベースとなるキックボクシングにはない決まり手ながら、その個性を最大限に活かせるMMAならではの打撃によって熱戦に終止符を打ったのだから。
いみじくもYA-MANは言う。
「MMAは自分の強いところを相手の弱いところにぶつけるもの」
そもそもこの一戦は“成り上がりvsお坊ちゃん”というわかりやすい対立構図で見ることができた。カードが発表されるや、巷ではいやがうえにも盛り上がった。
YA-MANは幼少の頃に父親が違法薬物に手を出して逮捕されただけではなく、一家のなけなしのお金を預かっていた祖父母も蒸発するという波瀾万丈な家庭に生まれ育った。対照的に三浦の父は、Jリーグ発足時から日本サッカー界の主役であり、56歳になっても現役を続ける“キングカズ”こと三浦知良だ。
大会2日前、YA-MANは生まれ育った環境の違いについて言及している。
「向こうはすごい家のお坊ちゃん。いままで自分みたいな人種とは関わってこなかったと思う。いざ対峙したら、怖い思いをさせてやろうかなと思います」
報道陣から勝ち方を問われると、YA-MANは1ラウンドでのKOを予告した。それはシンプルでわかりやすいリップサービスにも聞こえたが、続けてこんな本音も漏らしていた。
「ぶっちゃけ、ラウンドが長引けば不利になると思うので、すぐ試合を終わらせたいという感じです」