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1億部を売った作家・東野圭吾が生み出した”日本一上手いスノーボーダーを決めるコンテスト” 史上最高レベルに、あのオリンピアンも燃えた!
posted2023/05/02 17:01
text by
秋月透馬(文藝春秋)Toma Akizuki
photograph by
“tochi” sato(SBM)
国内累計発行部数が「1億部」を突破したというニュースが駆け巡った前日、東野圭吾は、長野県の野沢温泉スキー場で、スノーボーダーたちに声援を送っていた。ベストセラー作家・東野氏が発起人となり、2018年にスタートした“日本で一番上手いスノーボーダー”を決めるコンテスト「SNOWBOARD MASTERS(以下、SBM)」の第4回大会が、野沢温泉スキー場にて開催されていたのだ。
オリンピアンやトッププロが集結!「史上最高レベル」の大会となった理由
今大会には、2018年平昌五輪でビッグエアとスロープスタイルに出場するなど、4大会連続でスノーボード五輪代表を経験した藤森由香や、2019年の X Games スノーボードビッグエア部門で、2大会連続優勝を果たし、2022年の北京五輪にも出場した大塚健の参戦が話題となっていた。藤森は「SBMに出たいとは以前から思っていました。今回もすごい大会になるという噂を聞いて、ヨーロッパ行きの航空券をキャンセルしての挑戦です」と決意を語っていた。
「すごい大会」とは――。大会のヘッドジャッジを務める関貴英が解説する。
「賞金総額が国内最高の580万円であることが魅力なのは言うまでもありません。そのうえで、舞台となった野沢温泉スキー場の起伏に富んだ地形を生かしたコースレイアウトが、『最高に面白い』と大会前から話題になっていたんです。だからこそ、過去4大会の中で、もっともハイレベルな選手たちが集まってくれたんだと思います。選手がけがをしない、セーフティ・ファーストを大切にしたうえで、難しくて面白いコースを造ることができたのは、野沢の方々をはじめ、関係者の絶大な協力があってこそ、です」
東野氏は、雪山シリーズとして、『白銀ジャック』『雪煙チェイス』などの小説を刊行してきた。『疾風ロンド』が映画化された際のロケ地が野沢温泉村で、その縁もあり、地元のスノーボーダーや関係者たちの全面的なバックアップがあったのだという。