濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
対戦実現は? 朝倉未来と平本蓮の関係は最悪でも、なぜ“格闘家”として魅力的なのか...朝倉「稼いでも強さの証明を」平本「戯言なんてクソ食らえ」
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2023/04/28 17:24
RIZIN LANDMARK 5に出場する朝倉未来(左)と平本蓮
朝倉未来「もともと格闘技が好きなんですよ」
未来はファイターとしてだけでなく、YouTuberやブレイキングダウンのプロデューサーとしても成功。日本の格闘家の中で最も有名で、かつ最も稼いでいると言っていい。それでも、格闘技への思いは揺るぎなかった。牛久が勝負のカギとして「気持ち」をあげたことを聞くと「格闘技への思いは俺のほうが上かも」と未来。
「格闘技だけやってるか、いろいろやってるか(の違い)ということだと思います。24時間練習してるわけじゃないし、俺は一つのことだけやってると飽きてしまう。格闘技だけしてるとモチベーションが下がったりもするので。そこは性格の問題かなと」
成功、金銭に対する「ハングリーさ」はどうか。
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「お金を稼ぐ前はそういうこと(ハングリーさが原動力になる)もあるのかなと思ってたんですけど。今こう、稼いでみたら全然違いましたね。もともと格闘技が好きなんですよ。それと強さの証明(がしたい)というのが大きい。格闘技の魅力というのは、お互いいろんなものをかけてること。1対1で何も持たずに闘って、勝ち負けによってすべてが変わる。そこですよね」
どれだけ稼いでも強さの証明にはならない。財産をリング/ケージには持ち込めない。結局はむき出しの“個対個”でしかなく、だからこそ何もかも捨ててのめり込める。やはりこの男、根っからのファイターだ。減量についての言葉も印象的だった。
「今は自由な身というか。人にあれやれ、これやれと言われることがない。そういう中で(減量という)制限のある生活をすると、幸せの基準値が下がりますね。我慢するのっていいなと。今の立場だからこそ、そう思いますね」
ブレない平本蓮「そんなのはクソ食らえ」
平本は、今の自分が格闘家として成長期にあることを自覚している。今の心境を聞かれると「最高です!」。さらにこう付け加えた。
「もう誰も俺を止めることはできない。それくらい強くなってしまいました」
弥益戦では、空手の要素を取り入れテイクダウンディフェンスとカウンター主体のファイトスタイルで完勝。そこに元々の持ち味である「ボクシング力」を組み込み「異次元のスタイル」を作り上げたという。
「絶対勝ちます。それだけは言えます」
UFC王者になるという目標にブレは一切ない。アンチに何を言われても気にならない。
「大きな夢を追ってると、いろんな戯言が耳に吹き込まれる。そんなのはクソ食らえ。夢を追いたい若者は俺の試合を見て何か感じてもらえたら。勝ってそれを届けます」
朝倉未来vs.平本蓮が実現するのかどうか、実現したとしてどちらが勝つかは分からない。ただ間違いなく言えるのは、彼らの格闘家としての姿勢はどんな悪態よりも魅力的だということだ。
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