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対戦実現は? 朝倉未来と平本蓮の関係は最悪でも、なぜ“格闘家”として魅力的なのか...朝倉「稼いでも強さの証明を」平本「戯言なんてクソ食らえ」
posted2023/04/28 17:24
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Norihiro Hashimoto
離れた席が、両者の関係を物語っていた。
4月29日に開催される『RIZIN LANDMARK 5』(国立代々木競技場第一体育館)のカード発表記者会見。ダブルメインイベントとして組まれたのは牛久絢太郎vs.朝倉未来、斎藤裕vs.平本蓮という顔合わせだ。フェザー級トップファイター同士の対戦と言っていい。
未来と平本はどちらも青コーナー側。会見の席順は、本来なら隣になる。ところが運営側は、未来の位置を逆にした。榊原信行CEO曰く「ブレイキングダウンみたいにならないように(苦笑)」距離を離したのだ。未来がプロデュースする新興大会ブレイキングダウンでは、出場者の罵り合いや乱闘が名物のようになっている。RIZINは未来と平本が一触即発の事態になることを避けたわけだ。2人の関係は“最悪”と言ってよかった。
「揶揄する未来、噛みつく平本」という構図
いわゆる“不良格闘技”イベントである『THE OUTSIDER』出身の未来。平本はK-1トップ戦線で活躍し、RIZIN参戦を果たした。必ずUFCチャンピオンになると公言してはばからない平本は、誰が相手でも強気な態度を崩さない。だが2020年大晦日のMMA初戦は完敗。いつの間にか、揶揄する未来と噛みつく平本という関係ができあがっていた。主戦場はツイッターや記者会見だ。
MMAデビュー戦を終えた平本は、実力を培うため長期の修行期間に。2戦目は2022年3月となった。つまり2021年の大晦日は試合をしていない。その大晦日大会に向けた記者会見で、未来は言った。
「平本蓮どうしたんすか? まさか大晦日、出ないなんてことはないよなと思って」
挑発された平本は2022年にMMA初勝利をあげ、2連敗から2連勝。2勝目の相手が実力者の弥益ドミネーター聡志だったため、評価を急上昇させた。そしてこの年の大晦日イベント、平本はRIZINの“顔”の1人としてエキシビションに登場。逆に未来は9月に行なったフロイド・メイウェザーJr.戦(エキシビション)のダメージが残っていることもあり欠場した。会見で平本はすかさずやり返す。
「朝倉未来どうしたんすか? まさか大晦日、出ないなんてことはないよなと」