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格闘技PRESSBACK NUMBER
「BreakingDownも格闘技。ただ、あれをカッコいいと思ったら…」“格闘技界の裏番長”金原正徳40歳が「ホンモノのMMA」にこだわる理由
posted2023/04/28 17:01
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph by
RIZIN FF Susumu Nagao
時代に合った生き方をしていないことは自覚している。たとえ窮地に追い込まれたとしても、トラッシュトークを繰り広げたり、『BreakingDown』に出ようとは思わない。MMAの道を追求して20年という大ベテランの金原正徳は、「最後に生き残るのは絶対に自分たち」という自負を抱く。
『BreakingDown』に対する「免疫」とは?
その理由を聞くと、金原は「僕ら40歳過ぎの現役世代は、すでに『THE OUTSIDER』で免疫ができているから」と話す。
「格闘技のテレビ放送(地上波)もなくなってどうしようかというときに、僕らはコツコツとDEEPやパンクラス、海外の試合に出ていた。そうした矢先に、不良にスポットライトをあてた『THE OUTSIDER』の人気が出てきた」
いわば“荒くれ者たちの闘いの祭典”。『THE OUTSIDER』は朝倉兄弟が世に出るきっかけとなったイベントとしても知られている。当時のレンタルビデオ屋にはDVDがあまた陳列され、スポーツジャンルの貸し出し人気ランキングの上位を独占していた。
その時期、金原も周囲から「OUTSIDERには出ないの?」とよく聞かれたという。
「だから正直、『BreakingDown』が世に出てきたときも何とも思わなかった」
1分という限られた時間の中で、格闘家だけではなく、ケンカ自慢も素人も芸能人も関係なく殴り合う。大会前には激しいトラッシュトークや度を越えた乱闘でしっかりと「空気を入れる」ことも忘れない。いまや『BreakingDown』は、エンターテインメントとして時代を席巻しつつある。