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父・桜庭和志から言われた「とにかく攻めろ」 桜庭大世のRIZINデビュー戦“衝撃の26秒KO”はなぜ起きた?「自分も修羅場を経験したい」

posted2025/01/01 18:27

 
父・桜庭和志から言われた「とにかく攻めろ」 桜庭大世のRIZINデビュー戦“衝撃の26秒KO”はなぜ起きた?「自分も修羅場を経験したい」<Number Web> photograph by RIZIN FF Susumu Nagao

MMAデビュー戦で矢地祐介からKO勝利を収めた桜庭大世

text by

橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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RIZIN FF Susumu Nagao

 毎年恒例のRIZIN大晦日イベント、2024年のさいたまスーパーアリーナ大会には『RIZIN DECADE』というタイトルがついた。

 旗揚げイベント開催が2015年の年末。そこから数えて、今回は10回目の大晦日だ。ゆえに『DECADE(10年)』。

 といっても、RIZINは選手の新陳代謝が早い。この大会も過去の歴史を振り返るというより、選手たちの生き残りをかけた現在進行形の闘いが印象に残った。少しでもステップアップする。次の試合への権利を確保する。そのシビアさだ。

桜庭大世が迎えたデビュー戦

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 今を生き残り、なおかつ過去の記憶もかき立てる。それを見せてくれたのは桜庭大世だった。一世を風靡した“IQレスラー”桜庭和志の長男である。

 桜庭和志は2015年のRIZIN旗揚げ大会に出場。それが最後のMMAマッチになっている。そのRIZINの大晦日10回記念大会で息子がデビューしたわけだ。歴史のドラマがそこにあった。

 大世は中学から大学まで柔道に打ち込み、卒業後は就職。実はそれも安定志向ではなく冒険心からだった。周囲のほとんどが柔道関連の道に進む中で「やったことがないことを」、「誰よりも働いて稼いでやる」と考えたそうだ。

 仕事も好きだったが、格闘技の道も捨てがたいものがあった。就職して働いていると20代半ば。年齢的にはギリギリだ。最後は「楽しさ100か120かの違い」で格闘技を選んだ。

 父からは「お前が思ってるよりキツいよ」と言われた。だが反対はされなかった。勧められもしなかったが。基本的に放任主義で、柔道を始めたのも知り合いに誘われたからだ。

子供の頃の大晦日は、父の試合の日

 大世は1998年生まれ。父の全盛期、たとえば伝説の対グレイシー4連勝を飾った2000年のことは覚えていない。柔道部の先輩を除けば「え、大世のお父さんって桜庭和志なの!?」というような反応もほとんどなかった。“偉大なる父の後を追って”格闘技の世界に進んだわけではないという。

「試合の時は母が会場に行って、僕たち兄弟はおばあちゃんと留守番っていうのが多かったですね。だから大晦日もだいたい留守番で。

 大晦日に試合だと、朝方に帰ってくるんですよ。酔っ払ってる時もあったかな。後輩を連れてくることも。で、試合が終わったんで三ヶ日は誰にも気兼ねなく飲んで、みたいな」

【次ページ】 「もし僕がスーパースターになる人間なら、勝てると思います」

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