濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「安納サオリは輝いてる。でもさらに輝きたい」人気女子レスラーのスターダム参戦で“万単位の一目惚れ”も? 明かした中野たむ&なつぽいとの関係
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2023/04/20 11:02
6年ぶりにスターダムのリングに上がることが決まった安納サオリ
「どれだけ安納サオリを響かせるか」
今年1月にも、安納は横浜アリーナのリングに上がっている。プロレスリング・ノアの大会で初めて組まれた女子マッチ。ジャングル叫女と組み、雪妃真矢&夏すみれと対戦した。
「横浜アリーナはライブで行ったことがあって、その時から“ここでプロレスがしたい!”って思ってました。だから緊張はまったくしなかった。前の日からワクワクしてましたね。ただ試合するだけじゃなくて、男子の団体を見にきた方たちにどれだけ安納サオリを響かせるかがテーマでした。嬉しいことに沢山の方に安納を知っていただけました。でも……」
安納は現実も受け止めていた。「これは、私が集めたお客さんじゃない」。何千人、何万人という観客の前に立つのが安納の目標だったが、その観客は自分の力で集めたいのだ。
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「大きな大会に私は運よく出させていただいた。だから横浜アリーナで試合して“夢が叶った!”という感じはまったくなくて。むしろもっと欲が出ちゃいましたね」
考え続けてきた“安納サオリというブランド”
2月には男女混合団体P.P.P.に初参戦。セクシー女優兼YouTuberでもある、ちゃんよたと対戦した。初めての舞台、初めての相手に触れるたびに「どんどん新しいことをしていきたい」という気持ちも強くなっていった。
「単に選手として強くなる、成長するっていうだけじゃなくて“安納サオリというブランド”を高めたいんです。“あのブラ”を。そのためには、これまでとは違うことをしていかなきゃいけない。じゃあ何をするのか。一番、考えるのはそこですね」
たくさんの団体で活躍できている現状は「凄くありがたい」。でも「上に行けば行くほど満足できない自分もいるんです」と安納は言った。「なんだか年々、考えることが増えるんです」とも。
3月、トトロさつきに敗れアイスリボンのベルトを失う。4月1日、“丸腰”で星いぶきとのシングルマッチ(時間切れ引き分け)を終えると、安納はこんなコメントを残している。
「今の安納サオリは輝いてる。でもさらに輝きたい。それを考えていかなきゃいけない」
おそらくこの時点で考え尽くしていたのだ。答えも出ていた。24時間後、スターダム後楽園ホール大会のリングへ。「やっと上がることができました」という言葉に実感が滲んだ。