濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「安納サオリは輝いてる。でもさらに輝きたい」人気女子レスラーのスターダム参戦で“万単位の一目惚れ”も? 明かした中野たむ&なつぽいとの関係
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2023/04/20 11:02
6年ぶりにスターダムのリングに上がることが決まった安納サオリ
スターダムの存在は、常に意識してきた
新人時代、所属していたアクトレスガールズは「女優によるプロレス」を標榜する団体で、安納も演劇に打ち込む中でスカウトされた。他団体スターダムでの試合は、いわば“プロレス本格参戦”だった。右も左も分からない中、スターダムの選手と闘うことでプロレスの魅力に目覚めた。特に宝城カイリは「空みたいに大きな人」。いつも親身になって「安納ちゃんのために一番いいのは何か」と考えてくれた。レスラーとしても女性としても、安納の理想像だという。
スターダムで揉まれ、アクトレスガールズで初代シングル王者となり、そこからフリーで活躍。“安納ブランド”を構築しながら、常にスターダムを意識してきた。
「特にここ3年はよく見てましたね。試合内容、勝ち負け、今どんな流れなのか、それにバックステージコメントも」
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スターダムでは毎月のようにビッグマッチが開催されている。選手は誰もが「キラキラして見えました」。自分が選んだ道にプライドもあった。ただプライドがあるからこそ、スターダムへの複雑な思いも増した。ましてそのリングには、かつて苦楽をともにした同期、タッグを組んでいたなつぽいもいた。
モットーは「初めて見た人を一目惚れさせる」
「スターダムの存在は……見たくないんだけど見なくちゃいけない。そんな気持ちでした」
4.23横浜アリーナ大会出場が決まってすぐのインタビュー。安納はそう打ち明けた。もっと輝くにはどうしたらいいのかと常に考え続けてきたが、答えはシンプルだった。シンプルであり、ベストな選択でもあるだろう。スターダムという大きな舞台で、安納サオリが輝きを増すのは間違いない。
彼女のモットーは「初めて見た人を一目惚れさせる」こと。横浜アリーナで、それに生中継で、おそらく万単位の一目惚れが発生するのではないか。
今度の横浜アリーナは、ノアに“ゲスト参戦”した時とは違う。タイトルマッチという“本筋”への参入だし「今回は私が出ることも大会への注目度、チケットの売れ方に貢献できるんじゃないかという気持ちもあります」。安納のスターダム参戦は専門誌の表紙にもなった。
スターダムの会場で起こった、歓声とどよめき
KAIRIに呼び込まれて姿を現した時の歓声やどよめきには驚いたと安納。
「もしかしたら“誰?”とか“なんだ安納かよ”っという反応なのかなと思っていたので。あの時の反応は今のスターダムの盛り上がりがあってのことでしょうね。それに、私がここまでやってきたことがあるからだとも思います」
アクトレスガールズを退団してスターダムに移籍したり、フリーになってすぐスターダムに参戦するのと、今回のようなフリーとして実績を上げての出場では本人の自信も周囲の反響もまったく違うものになる。あらゆる意味で、今がベストのタイミングではないか。
「今までやってきたことは、何一つ無駄ではなかった。特にフリーになってからの3年は大きかった。その経験が今の安納サオリを作っているのは間違いないです」