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“球界最小の164cm”だけど「身長を不利だとは思っていません」強気な19歳・滝澤夏央が追いかける名手・源田壮亮の大きな背中
posted2023/04/17 17:01
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
Sankei Shimbun
強く振り抜いた当たりがエスコンフィールド外野後方のブルペンに飛び込んだ。
4月15日、日本ハム戦の9回表。西武・滝澤夏央(19歳)が放ったプロ初ホームランが貴重な10点目のダメ押しとなり、ライオンズが10-0と快勝した。
身長はNPB最小の164cm。チーム練習で大きな先輩たちに混じると、ひときわ小さく、華奢に見える。ただし、ガッツは人一倍強い。身長のことに触れると「でも、今も伸びてますし!」と気の強そうな目をきらりと光らせた。
2022年、育成ドラフト2位で関根学園(新潟)から入団した。同年5月13日、源田壮亮の故障離脱をきっかけに支配下登録され、その日のうちにスタメンデビューを果たす。2番・ショートで出場すると、プロ初安打に初得点で勝利に貢献し、人生初のお立ち台も経験した。安定した守備力で、ゴールデングラブ賞の常連である源田の穴を見事に埋め、源田の復帰後もセカンドや代走で起用。高卒1年目にして48試合に出場した。
一軍定着を目標に迎えた今シーズン、スタートは意外にも春野の二軍キャンプだった。
川野、山村…熾烈なポジション争い
「(二軍キャンプだと告げられ)やっぱり悔しい気持ちはありました。でも、自分の場合は開幕に合わせて調整するとかではなくて、とにかく自分の技術をアップすること、課題を全て、一つひとつ潰すことをテーマにキャンプを送りたかったので、一軍二軍関係なく、とにかく全力で毎日練習しようと思って過ごしました」(滝澤)
チームの要・源田がWBC侍ジャパンに参加していた間のオープン戦では、同じ若手遊撃手の川野涼多(21歳)や山村崇嘉(20歳)が一軍でアピールを続けていた。滝澤は彼らの活躍をどんな思いで見つめていたのだろうか。