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「久保建英とシルバが絡めば何かが起こる」でも2人の代わりは…不調ソシエダで奮闘“タケのクロスバー直撃弾、古巣選手との旧交”を撮った
posted2023/04/08 11:01
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
代表ウィーク明けの4月2日、久保建英所属のレアル・ソシエダは、リーガ27節対ビジャレアル戦を迎えた。
新生森保ジャパンの船出として2試合を戦った日本代表に招集されていた久保だったが、この日も2トップの一角として出場。バーを直撃するシュート、味方の決定機を創出したラストパスなど見せ場を作ったが、チームは久保の交代後に立て続けに失点をすると、そのまま2-0で敗戦した。来季CL出場圏内4位を維持するソシエダだが、現在6位とCL出場権を争う直接のライバルに敗れ、ポイントを詰められると共に、いよいよ好調期に貯めた余裕が底をつき始めた。
久保は強い日差しの下でプレーし続けることになった
キックオフは18時半、晴天にホームチームのチームカラーである黄色に統一されたスタジアムが映える。スタジアム周りでは、多くのホームサポーターと共に、青白のアウェイチームサポーターの姿も見られた。またこの時間帯、ピッチの4分の1ほどのスペースに強い日差しが落ちており、ソシエダ側は、日差しが当たる中でのアップとなった。
選手入場、集合写真撮影、そしてコイントスにより当初の攻撃エンドが交換された。ソシエダは太陽を背に、陽の当たるサイドへ攻めることを選んだ。特にこの日、右サイドでのプレーが多くなった久保は、前半の多くの時間を日差しの下でプレーすることとなった。
日本-スペイン間の長旅から合流直後の久保だったが、動きはキレており、開始5分、右サイドでパスを受けるとカットイン、ピッチに入念に巻かれた水を切り裂き挨拶がわりの一振りを見舞った。シュートはGKペペ・レイナに弾き出されたが、試合の入りとして良い感触を残すものだった。
シルバと久保が絡むと“何かが起きるのでは”という期待
ともにボールを大事に保持して攻撃を組み立てるチームながら、大きく異なるのは、やや下がり気味のボランチであるパレホが中心のビジャレアルと、より攻撃的なトップ下のシルバが中心に攻撃を組み立てていくソシエダという構図。自ずとこの試合では、パレホとシルバのマッチアップが増えていった。
前半を通して見るとややビジャレアルの決定機が多くなっただろうか。久保を中心にソシエダが、相手最終ライン、またGKまでプレスをハメに出たが、ビジャレアルはパレホを中心として常に数的優位を作り出し、プレスを掻い潜りソシエダ陣内へ攻め上がった。そして1列前の22歳テラッツがパレホからパスを引き出し、決定的なパスを何度となく繰り出した。