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「大谷翔平は最後まで野球少年だった」WBC決勝で投げた“魂の15球”…本人が語り続けた“二刀流の誇り”「子どもの頃と一緒なんですよ」
posted2023/03/22 17:15
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Getty Images
日本代表、WBC優勝! MVPに輝き、歓喜の輪の中心にいたのは、“世界の二刀流”大谷翔平でした。激闘の興奮はまだ冷めませんが、幼少期から変わらない大谷の野球少年ぶりと、二刀流への誇りを、雑誌「Number」に掲載された本人の“3つの名言”から紐解きます。
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〈名言1〉
全部できるようになったらおもしろいなという、その感じがいいんです。子どもの頃と一緒なんですよ。
(大谷翔平/Number1000号 2020年3月26日発売)
WBC開幕前から、話題を集めていた大谷の“起用法”。結局打者としてはDHとしてフル出場を続けながら、先発としては2試合に登板し好投。そして3月22日の決勝・アメリカ戦では、9回に「抑え」として登板し、日本チーム勝利への“最後のアウト”を勝ち取った。
大谷の笑顔は、野球少年そのものだった
大舞台でまさに“二刀流”での圧倒的な力を見せつけた大谷だが、彼の野球人生で見れば、評価された時期よりも、「そんなの無理だよ」と馬鹿にされてきた時間のほうがずっと長い。それでも大谷が投打どちらかに専念するのではなく、二刀流での挑戦を続けたのには、根底に「野球を楽しむ」という感情があり続けたからなのかもしれない。
同時に大谷は、このようにも語っている。
「どのくらい打ちたいとか、いくつ勝ちたいとか、そういう気持ちはまったくありません」
成績・数字だけにこだわるのではなく、「あのフェンスを越えられるようになりたい」、「速いボールを投げたい」という“純粋な向上心”は、いつしか大きな輝きに変わっていた。WBCで優勝を飾った大谷の笑顔は、岩手の小さな球場でプレーしていた、ひとりの野球少年の笑顔そのものだったのである。