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佐々木朗希を名手が絶賛…ダルビッシュ「あの年齢ですごい」、過去のWBC侍が「今は対戦したくない」と語った“怪物性”とは
posted2023/03/21 06:00
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Naoya Sanuki
<証言1>
13連続奪三振はね……もう破られることはないんじゃないですか。
(谷繁元信/Number1052号 2022年6月2日発売)
◇解説◇
WBC準決勝、日本にとって2009年以来の決勝進出がかかり、そして負けたら大会終了という大事な先発マウンドは、21歳の佐々木朗希に任されることになった。岩手県陸前高田市出身の佐々木は3月11日のチェコ戦で先発登板を託されると、最速164kmの豪速球と鋭く落ちるフォークを主体とし、3回2/3を8奪三振、エラー絡みの1失点のみで相手打線を牛耳ってチームを勝利に導いた。
すでにメジャーリーグも注目しているとの見立てもある中で、大船渡高校時代からその潜在能力は特大のものを感じさせていた。
その力が大きく花開いたのは、プロ3年目を迎えた2022年のこと。このシーズン3試合目の先発登板となったオリックス戦でゲームを支配する。初回2アウトから世界記録となる13者連続奪三振、試合を通じても19奪三振の日本タイ記録、そして1994年の槙原寛己以来、NPBにおいて28年ぶりとなる完全試合を達成した。そしてその7日後の日本ハム戦では、8回まで14奪三振で完全投球を続けるなど、野球ファンに大きな衝撃を残した。
その剛腕ぶりには、過去と現在のWBCメンバーも絶賛の声をあげている。2006年大会の優勝メンバーだった谷繁氏もその1人。「手足の長さなどの身体的な特徴も含め、いま自分が持っているものを純粋に生かしたピッチングをしていますよね。それに加えて、非常に冷静だなと感じます」と、数々の名投手のボールを受けてきた名キャッチャーからもお墨付きをもらった。さらにはこんな風にも話している。
「1試合19奪三振のほうはいずれ本人が抜くかもしれない」
チームメートだった鳥谷から見た“意識の高さ”
<証言2>
今は対戦したくないです(笑)。もっと若い頃なら打席に立ってみたいかな。
(鳥谷敬/Number1052号 2022年6月2日発売)
◇解説◇
ショートとしてNPB歴代最長の667試合連続フルイニング出場、歴代2位の1939試合連続出場など、球史に残る“鉄人”として知られる鳥谷も、チームメートとして佐々木朗希の意識の高さを感じたことがあるようだ。
13年WBC台湾戦で鳥谷は9回に1点リードを許す絶体絶命の局面で出塁すると、「鳥谷がスタートしている!!」の実況通り、日本中を驚かせるスチール成功で、好調の井端弘和の同点タイムリーを導き出す殊勲の役割を果たした。長年にわたって阪神のショートストップを任されてきた鳥谷は、現役生活のラスト2シーズンをロッテで過ごした。そこで野手と投手のポジションで出会ったのが、佐々木朗希だった。