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「モリタ、モリタ」とポルトガル地元カメラマン称賛…冨安健洋vs守田英正が「試合後にユニ交換」“EL日本人対決”を撮った
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2023/03/14 17:02
守田英正と冨安健洋。スポルティングとアーセナルの一員としてELの舞台で戦った
アーセナルの攻撃時には、左サイドバックのジンチェンコが、ボランチの位置に入り攻撃の起点になる動きを見せた。ただ、スポルティングの強みは、そこに相対する右ウイング10番を背負うエドワーズ、ジンチェンコの空けたスペースから攻撃を仕掛けた。一進一退の攻防が続いた22分、CKよりアーセナルCBサリバが頭で合わせ先制点を奪った。
獲物を狙う野生動物のようにボールを刈り取る
アーセナルが勢いに乗るかと思われたが、スポルティングもホームの後押しを受けて一歩も譲らない。中盤の底で、獲物を狙う野生動物のようにボールを刈り取る守田の貢献も大きかった。そして34分、CKからスポルティングがゴールを奪い返すと、同点で前半を折り返した。
ハーフタイムでの両チーム交代はなく、後半はやはり地力に勝るアーセナル攻勢で始まった。しかしスポルティングは前半終了間際の勢いを削がず、右サイドからエドワーズ、左サイドではトリンコンが攻め込み徐々に盛り返すと55分、エドワーズのパスにペドロが反応しシュート。GKが弾いたところをCFパウリーニョが詰めると逆転に成功した。
勢いはホームチームにあった、しかし逆転劇から7分後、不運ではあったが守田のオウンゴールによってアーセナルが追いつく。この7分間、守田は目まぐるしく試合に絡む形になる。
まずは58分、アーセナルのファビオ・ビエイラが自陣からスピードに乗りボールを運び出そうとした際だった。ボールを蹴り出したタイミングを狙いすましてタックルに飛び込んだ。本人も試合後「あれはファールじゃないと思う」と語ったように、カメラ越しにも絶妙なタイミングだったように思えた。
しかし、ボールに触った後相手にも触れてしまったことでイエローカードを受けると、通算3枚目のイエローとなり、2ndレグの欠場が決まってしまった。
途中投入の冨安も見事なプレーぶりだった
この直後、マルティネッリの独走に一番に詰め寄ったのは守田だったが、直前にカードをもらっており、一瞬ためらいを感じた。しかし、自陣の状況を認知すると退場覚悟のタックルを仕掛けた。一瞬のためらいは結果的に守田に味方し、直接相手に触れることはなかったが相手のバランスを崩すことになり、味方GK、さらにDFがカバーに戻る時間を作ることに成功した。
61分、守田のダイレクトパスから、ペドロが抜け出し決定機を演出したが、決めきれなかった。もしこれが決まっていれば、とは思わずにはいられないが……62分、ジャカが前線に送ったシュート性のパスが守備ラインまで戻った守田に当たると、前述した通りコースが変わってゴールラインを割ってしまった。