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メッシ愛妻の両親経営スーパーに銃弾14発!「W杯オウンゴール射殺事件」「数千万円の強盗」…“南米の凶悪事件”に名手が狙われた真相
 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byKiichi Matsumoto/JMPA

posted2023/03/13 17:00

メッシ愛妻の両親経営スーパーに銃弾14発!「W杯オウンゴール射殺事件」「数千万円の強盗」…“南米の凶悪事件”に名手が狙われた真相<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto/JMPA

カタールW杯優勝後のメッシファミリー。妻アントネーラさんの両親が経営するスーパーマーケットに銃弾が撃ち込まれるとは……。

 サルバドール・カバーニャス。主として2000年代にアメリカ(メキシコ)、パラグアイ代表などで活躍した。強烈な回転をかけたミドルシュートが絶品で、ゴール前では狡猾にマーカーを出し抜いて得点を量産。ブラジルのクラブや代表を相手に貴重なゴールを決めたことから、ブラジルでは「カラスコ」(死刑執行人)と恐れられた。

パラグアイのエースとしてW杯に出場するはずが

 2010年W杯南米予選でパラグアイ代表のエースとして6得点をあげ、チームはW杯出場権を獲得。当然、W杯へ招集されるはずだった。

 しかし、2010年1月末、悲劇が起きる。メキシコ市内のナイトクラブのトイレで強盗に襲われ、頭部に銃弾を浴びたのである。当時、この事件は中南米のファンに大きな衝撃を与えた。

 医師は「銃弾が頭の中に残っているが、頭部を切開して手術するのは大きな危険が伴う」として手術をしないまま治療することを決断。しかし、カバーニャスは頭痛、吐き気、記憶がすぐに薄れるといった後遺症に苦しめられ、プレーするどころではなく、2010年W杯への招集は見送られた(※この大会のラウンド16で、日本はパラグアイと対戦。延長を終えてスコアレスドローだったが、PK戦で敗れた。もしカバーニャスが銃撃されていなければ、日本戦に出場していた可能性が高い)。

 その後、カバーニャスはアメリカとの契約を解除されたが、現役復帰を目指してリハビリを続けた。2012年1月、事件が起きてからちょうど2年後に自身の出身クラブであるドーゼ・デ・オクトゥーブレへ復帰した。しかし、以前のようなプレーはできず、2カ月余りで契約を解除された。

 その後もブラジルとパラグアイの小クラブに入団したが全く活躍できず。2014年に現役を退いた。現在は、パラグアイとメキシコで選手育成クラブを運営している。

家族の誘拐、強盗に盗難も枚挙にいとまがない

 選手の家族が誘拐されることもある。

 2004年、サントスのエースでブラジル代表にも招集されていたFWロビーニョの母親がサントス郊外で武装した2人組に誘拐された。犯人たちは、母親の髪の毛を切るなどして精神的な圧迫を加え、その写真を息子へ送りつけて恐怖を煽った。

 地元警察が捜索したが、全く手がかりがつかめない。犯人はロビーニョに身代金20万レアル(約530万円)を要求し、彼が支払ったことから、誘拐から41日後、母親は解放された。その後、犯人たちは警察に逮捕された。

 強盗、盗難となると、もはや枚挙にいとまがない。

【次ページ】 被害総額が数千万円の強盗にあった名手も

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