「藤井聡太さんには気づけば“追い込まれている”」高見泰地七段が驚いた“誰も気づかない一手”「野球で言うと、大谷翔平投手のような…」

「やはり、歴史的な一戦ですよ。注目度がとても高いと実感しました」

　と評するのは叡王タイトル1期の経験を持つ高見泰地七段だ。その高見は石川県金沢市で行われた王将戦第3局の副立会人を務めて〈リアルな現場の雰囲気〉を味わっている。

AbemaTVなどで藤井聡太五冠の将棋を解説することも多い高見泰地七段　©Asami Enomoto

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藤井王将と羽生先生のファンが半々と拮抗

「タイトル戦の会場となった場所はどこも熱意を持って取り組んでくださるんですけど、今回の王将戦はより一層、盛り上がっている印象でしたね。私が参加した前夜祭や大盤解説会も大盛況でしたし、これまでも藤井さんの棋戦を何度か担当したのですが、今回は羽生先生のファンも数多く、藤井王将と羽生先生のファンが半々と拮抗している。おふたりとも、さすがの第一人者と感じますね」

　こう笑顔で語る高見は、藤井との接点がある。2021年のABEMAトーナメントで藤井、伊藤匠五段とともにチームとして戦って優勝を果たし、藤井のプロ入り後には公式戦で計4局激突している。その経験から藤井将棋の現在地について聞くと、高見はこう切り出す。

「最近は〈藤井さんと棋戦で当たること〉自体が大変になってきているんです。そこまで行くことが1つのモチベーションになっています」

競馬で言う“着差”が広がっている

　同じような話は、実は谷川浩司十七世名人もしている。藤井は数多くのタイトル保持者となったことで、挑戦者決定戦に出場する棋戦が少なくなっている。さらに順位戦では名人位挑戦権を争うA級に所属するなど、対局を経験できるのがトップ棋士に限られているという現状がある。

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