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星野源もラジオで「踊りたくなった」と絶賛…“1億回再生の大バズりダンサー”THE D SoraKi(19歳)はなぜ人を魅了できるのか?
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byKiichi Matsumoto
posted2023/02/24 17:00
「Redbull Dance Your Style 2022 World Final」で優勝し、世界王者となったTHE D SoraKi。オファー殺到中の19歳の素顔に迫った
激しいバトルと優勝の興奮で精魂尽き果てたに違いない。帰国後、19歳の王者はしばらく体調を崩して寝込んでいた。元気になって久しぶりにスマホを見てみると、何だかとんでもないことになっていた。
SNSには大量のコメントやメッセージが寄せられ、フォロワーも10万人以上増加。動画はどんどん拡散していった。しかも、ただバズったというだけでなく、そこには見た人の心を揺さぶる強い力があった。
どういう経緯だったのか『I’m Coming Out』を作ったひとりであるナイル・ロジャーズにもそれは届いた。音楽界の大御所はSNSで「マジでヤバいな」「ファンクは今も生きていた」と称賛していた。さらにはダイアナ・ロスまでインスタのストーリーでリアクションしてくれた。
「ええっ!? みたいな(笑)。訳わかんないよと思いながら見てました。本当に出場してよかったですね。むちゃくちゃ忙しくなってきちゃって、マジで意味がわからないです」
地元に戻ったSoraKiは電車に乗っていた。いつもの日常に戻ってきた……はずだった。
ところが、車内で突然OLらしき見知らぬ女性が声をかけてきた。
「あのー、ダイアナ・ロスでかました人ですよね?」
「え? あ、はい……」
どぎまぎしながら答えた。自分の知らない間に世界中が自分のことを知るようになっていた。
「いやー、あれにはびっくりしました。電車の中はマジでスイッチオフになってるんで勘弁してください。ちょっと恐怖です(笑)」
最近は“THE D SoraKi=ダイアナ・ロス“のイメージで語られ過ぎることにも少し辟易してきたらしい。だが、それも仕方のないことかもしれない。何十年も愛されてきたヒットソングと同じように、それだけ多くの人があのダンスに魅了されたのだ。そして、その数は今もまだ増え続けている。
THE D SoraKi(ザ・ディー・ソラキ)
2003年7月13日、神奈川県生まれ。4歳上の姉の影響で、4歳からダンスを始める。バトルや振付などさまざまなシーンで活躍するYOSHIEに小4から師事し、世界中のダンスバトルで活躍。昨年12月に南アフリカで行われた『Redbull Dance Your Style 2022 World Final』で日本人初優勝。Yoshikiとのデュオ『BetRay』でも活動中。The Dの呼称は、小学生の時に著名なフランス人ダンサーから呼ばれたことに由来、「(漫画の)ワンピースが好きだったのか、ダンスのDなのかはわからない」。177cm、53kg
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。