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アントニオ猪木が最後に食べた料理は「オークラのヴィシソワーズ」だった…盟友が明かす“猪木の愛した逸品”「オニオンリング、できる?」 

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原悦生

原悦生Essei Hara

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posted2023/02/20 11:03

アントニオ猪木が最後に食べた料理は「オークラのヴィシソワーズ」だった…盟友が明かす“猪木の愛した逸品”「オニオンリング、できる?」<Number Web> photograph by Essei Hara

「オニオンリング、できる?」の一言で生まれた逸品。アントニオ猪木はいつも笑顔で「猪木スペシャル」のフライド・オニオンリングを食した

 猪木はタマネギが好きだ。北海道のどこかは忘れてしまったが、猪木が嬉しそうにこんな話をしたことがある。早朝、いつものように猪木が走っていると、農家のおばさんに呼び止められたという。

「あんたのこと応援してるから、このタマネギ持ってけや」

 猪木はおばさんから大きなタマネギをたくさん手渡されたという。

 増山シェフが、このフライド・オニオンリングの説明をしてくれた。

「大きなタマネギひとつ分、中間の肉厚のおいしいところを6枚から7枚とります。衣が緩すぎてもダメで、硬すぎでもダメなんです。硬すぎるとタマネギの味より粉の方が先にきちゃう。でも、緩いとパン粉がつかない」

 猪木はこの衣のつき具合と、絶妙の食感が気に入ったのだろう。さすがに一皿全部食べてしまうと、これでお腹が膨れてしまうので、筆者もよくふたつだけ分けてもらったものだ。

 どうやらオニオンリングを頼むのは猪木しかいなかったようだ。まさに「アントニオ・スペシャル」「闘魂スペシャル」だった。

なぜ猪木はハイランダーに通い続けたのか?

 猪木はスモークサーモンも好物だ。ハイランダー時代は『カメリア・コーナー』というコーヒーショップから、スモークサーモンとガーリックトーストが猪木のもとに届けられていた。

 増山シェフによると「昔はうちでスモークをしていたのですが、今はオークラの受け継がれたレシピで業者さんに頼んで外で作っています」。これにはタマネギのスライスが添えられている。猪木はタマネギのスライスを多めにして頼んでいた。

「好みもあるでしょうが、水で辛みを抜いています」

 猪木はそれにオリーブオイルをかけて、ガーリックトーストとともに食べた。

「最初、猪木会長の席は違う場所だったんです。入口を入って右の、見えないところでした。でもそこが禁煙席になってしまって、中央の右に座るようになりました。会長は人に背を向けて座らないから、どこからでも見えるんです。隣のレストランに行く人からも見える席でした。なんでハイランダーがよかったのか? 黙っていても出るものが出されて、葉巻を吸って、いつものように会釈をして……。連絡が取れない人でも、ハイランダーに来れば会えましたから」

 萩さんは続ける。

「セロリもお好きでした。セロリのスティックをお皿に出していました。15オンスのグラスのブラッディ・マリーに、猪木会長はそのセロリの葉っぱを入れて飲んでいました。セロリはそのまま食べていましたね。テーブルにはリーペリンソースとタバスコがいつも置かれていて、コショウも入れていました」

【次ページ】 「猪木さんとは、30分会話がなくても大丈夫」

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