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監督カミナリ報道や“代表降りろDM”に困惑も、宇田川優希(24歳)に笑顔が戻った理由は? WBC合宿はツンデレ由伸に「絶対くっつく」
posted2023/02/20 06:00
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
KYODO
オリックスの宮崎キャンプ前半、話題の中心はWBC日本代表の右腕・宇田川優希だった。
第1クール終了直後の2月6日、中嶋聡監督の「今のままじゃ使いものにならない」「調整不足」といった宇田川への厳しいコメントが、いっせいに記事になった。
「僕、最初何も知らなくて。友達が送ってくれて、見ると『使えない』みたいに書いてあったので、え?と思って調べたら、めちゃめちゃいっぱい書かれていました(苦笑)。プレッシャーになったところはありましたね」
「今年は悪いことも書かれるので、大変だなと」
昨年7月末に育成契約から支配下登録され、わずか半年でWBC日本代表にまで駆け上がった24歳は、それ以降毎日のようにブルペンでの状態や減量の進捗具合が記事になった。
「昨年までは、いい結果を出したら記事にしてくれる、という感じだったんですけど、今年はいいことだけじゃなくて悪いことも書かれるので、大変だなと。悪いことを書かれたのは初めてだったので……戸惑いはありました」
雑談のつもりで何気なく話したことが記事になり驚いたこともあった。捕手の若月健矢には「これも勉強だな」と言われた。
「たぶんファンの人とかも記事を見て、『え、なんでこいつが代表なん?』みたいな感じで思っていると思う。それをどうにか、見返したいんですけどね」
ショックだったのは、記事を見た人から宇田川のSNSのDMに「代表降りろ」といった心ないメッセージが多数来たことだ。
「そういうのも初めてのことだったんで、『うわ、こういうのも来るんだ』とびっくりしたし、最初は落ち込みました。でも普通にチームのみんなとしゃべっているうちに、『どうでもいっか』みたいな(笑)。慣れてきたので大丈夫です」
そう言って笑えるのも、状態が上がってきたからだろう。