2022年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
「さや香1本目の瞬間は、“あっ今年も無理だ…”」ウエストランドが告白する本音「M-1王者の称号って正直しんどいじゃないですか?」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byYuki Suenaga
posted2023/02/19 11:02
ウエストランドの井口浩之(左)と河本太。2020年大会に続き、2度目のM-1決勝で王者に
井口 普通のネタ番組って絶対にウケるんですよ。ネタ番組って、そういうものなので。M-1もネタ番組ではあるんですけど、唯一、ちゃんとウケないことがある。そこは怖いところですよね。ただ、今回、ダイヤモンドやキュウはウケなかったですけど、完成度の高いネタをやっていたと思うので大丈夫だと思います。僕らみたいなネタをやるコンビはウケないと地獄ですけど。
――2年前、10番手で9位だったことのトラウマはありませんでしたか。
井口 ありましたよ。でも、もう関係ないや、というかね。こんな話をしたらアレですけど、優勝することにはこだわってなかったんで。
――ん?
井口 優勝したら、とにかく大変じゃないですか。今は優勝してよかったって本当に思いますよ。いろいろな人が喜んでくれて。でも、本番当日までは、「この2本(のネタ)をやったら、なんか優勝しちゃいそうだな。そうなったら大変だぞ」って。ちょっと憂鬱だったんです。M-1王者の称号を背負って行くのとかって、しんどいじゃないですか。売れたいとは思ってましたけど、まさか自分がM-1チャンピオンになる人生だとは思っていなかったですね。
――カッコいい!
井口 カッコよくはないですよ。嘘つけ、って思われるかもしれないですけど、本当に嫌だったんで。マヂカルラブリーの村上さんも優勝したときちょっと思ったって言ってましたよ。「勝ったら、家に帰れねえな」とか。そこは僕もどこか冷静だったんです。
「あるなしクイズ」誕生秘話
――ネタが出来たときから、それぐらい手応えがあったのですか。これなら優勝できるかもしれないぞ、と。
井口 「あるなしクイズ」のネタは、2021年の準々決勝(11月17日)で負けた3日後ぐらいに作ったネタでした。新ネタライブに出る予定があったんで。
――その時から、もう、ウケ方が違うなみたいなのがあったのですか。