フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
謝る村元哉中に高橋大輔は「大丈夫、大丈夫」転倒もあった演技直後、2人が交わした“会話の中身”…結成3年目、かなだいの絆はこう深まった
posted2023/02/16 17:02
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
AFLO
コロラド州コロラドスプリングスで開催された2023年四大陸選手権。村元哉中&高橋大輔は、13組中9位という予想外の結果となった。先シーズンはオリンピック直前だったため、トップチームは来なかったとはいえ、2位という日本のアイスダンサーとして過去最高の成績を収めていた。今回、苦戦したのはなぜだったのか。
2月10日に行われたリズムダンスでは、村元がミッドラインステップの後半で転倒した。
「ああ……しか出てこない。それこそ去年の四大陸を思い出したというか……」
そう村元が感想を口にすると、横にいた高橋が「去年、何だっけ?」「こけたじゃん」「あ、そっか」二人の間でそんな会話が交わされ、苦笑いした高橋だった。
村元「疲れもあったのかな」
もっとも昨年のこの大会のリズムダンスでの転倒は、今回のようにエレメンツの最中ではなかった。演技開始直後に二人のタイミングがずれて、接触、転倒という単純な事故である。
トップチームしか取れないレベル4も獲得する村元がステップの最中に転倒したのを、過去に見た記憶はない。筆者がそう言うと、高橋が大きく頷いた。
「僕もない。練習でもないです。僕の専売特許なので」と苦笑する。
「何で練習でやらないミスをするのか。なんでだ、というのはある。本当に四大陸に向けて良い練習が出来て自信を持って現地に入ってきたので……」と言葉を探す村元は、こう続けた。
「混乱しているんですけど。頭。自分なりに攻めすぎたというか、(エッジが)引っかかってしまって。疲れもあったのかな。ちょっと自分では何でだろうと言う感じ」