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プロ5年で引退→スカウト転身の24歳が1年目から“超いい仕事”…左腕・曽谷龍平を一本釣り「お兄さんみたい」と信頼される理由とは? 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph byKYODO

posted2023/02/14 11:02

プロ5年で引退→スカウト転身の24歳が1年目から“超いい仕事”…左腕・曽谷龍平を一本釣り「お兄さんみたい」と信頼される理由とは?<Number Web> photograph by KYODO

オリックス岡崎スカウトが担当したドラフト1位・曽谷龍平投手。8歳の頃に書いた作文も話題になった

 ドラフト当日、岡崎は1巡目指名の時だけ、福良淳一ゼネラルマネージャーや中嶋聡監督たちが揃う会議室に入らせてもらい、パソコンに“曽谷龍平”の名前を入力した。

「あとはもう(公表していなかった)ロッテ、DeNA、阪神こないでくれよ、被らないでくれよ……と」。その祈りは通じ、他球団と競合することなく無事に指名が確定した。

 牧田は言う。

「ドラフト1位を1年目に担当できるって、すごいことですよ。たまたまその時期にいたんだろう、という表現を使う人もいると思いますけど、なかなか指名できないですからね。彼の星なのか、力なのか、引きが強いのか。しっかりアンテナも立っていますし、視野も広いし、言ったことはしっかりこなす。プレゼンも素晴らしかったですよ。人からの意見じゃなく、自分の意見をしっかりと言える。よく足を運んで、縁に結びつける仕事を一生懸命貫き通した証が、一本釣りだったのかなと思います。このまま突っ走って、オリックスに預けたい、じゃなく、岡崎スカウトに預けたい、と言われるようなスカウトに成長してもらいたいなと思います」

 岡崎の元担当スカウトの牧田は、「つい親父の立場で見ちゃう。高校生の時に、指名したくて惚れ込んで、その彼が今、この仕事をやってくれているとなったら……目に入れたいぐらい。でも痛いから入れない(笑)。親じゃないし。でも親だし、みたいな」と愛情が止まらない。

 そして今度は岡崎も、見守る立場になった。曽谷の隣に並んでいると同期の新人選手にも見えるが、「曽谷には1年目から活躍してほしいという気持ちはありますけど、本人も『能見(篤史)さんのような息の長い選手になりたい』と言っているように、そこは大事にしてほしいなと思います。いいコーチがいっぱいいるので、焦らずにやってくれれば」と兄のような眼差しで見つめる。

 24歳の岡崎は、ちょうど曽谷の2歳上の兄と同い年だ。

 曽谷も「会う回数を重ねるにつれ、お兄さんのような存在になってきました。だいぶ密接というか、なんでも言える関係になっているのかなと思います」と打ち解けている。

 自身が初めてオリックスへと導いた選手を見守りながら、岡崎はスカウト2年目をスタートさせた。今年はどんな選手と出会えるのか、新たな縁を求め、心を躍らせている。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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