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「もう何もかもダメ」三浦佳生が乗り越えた“足が震えた最下位”「特に思い入れのないポケモンに助けられました(笑)」<四大陸選手権を最年少V>
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byGetty Images
posted2023/02/13 17:01
自己ベスト更新でも優勝が確実ではない中、快心の演技を見せ優勝を決めた三浦佳生。これまでの発言を紐解くと…
イリヤ・マリニンに次ぐ2位でデビューを飾ったこの大会で、三浦はショートプログラム1位の演技を見せる。フリーは最終滑走となり、直前のマリニンが4回転アクセルを跳ぶのを見ていた。
「あれだけ軽々しく4回転を跳ばれると。スケート界が絶望させられるような演技だったと思うんですけど」
そこで言葉は終わらなかった。
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「それくらい同世代に素晴らしい選手がいるっていうことを、同じ世代で戦えるということを誇りに思って、いい時代に生まれてきたなと思います」
頑張ればワンチャンくらいの思いで来ましたけれど…
翌週にはスケートカナダに出場。アメリカ同様ショートプログラム1位、フリーを最終滑走で迎えることになると、「前回もマリニン選手が4回転アクセルを決めて、今回も(宇野)昌磨君が前に滑るので、ちょっと正直、めちゃめちゃ最後は嫌だなと思っていました。(アメリカの)経験があってよかったです」と最終滑走への心境を明かして迎えたフリーでアクシデントに見舞われる。6分間練習中、靴ひもが切れたのだ。それでも慌てることはなかった。ジャンプの構成を変更し乗り切った。
「(冒頭の)4回転ループジャンプの練習が(6分間練習で)できていなかったので、ぶっつけ本番は嫌でやめました」
2戦連続で2位になり、グランプリファイナル出場の可能性が開けたことについてはこう語った。
「アメリカで2位になったので、頑張ればワンチャンくらいの思いで来ましたけれど、この大会で2位になるのは予想外でした」
ステップなんて素人目にも分かるくらい震えていました
悔しさも味わった。
グランプリファイナルではショートプログラムで3位につけたがフリーは最下位、結果、5位で大会を終えた。
「もう何もかもだめです」
三浦は言った。