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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
米名物記者がズバリ予想…WBCで優勝するのは? アメリカは“3位”、1位は「大谷レベルの投手が3人、打者が4人くらいいる」あのチーム
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byGetty Images
posted2023/02/13 11:02
ニューヨーク・タイムズ紙などに執筆しているベテラン野球記者スコット・ミラー氏が語るWBCの予想とは
攻撃陣は、通算283本塁打を放ちゴールドグラブ賞に2度輝いたパドレスのマニー・マチャド内野手、21年にメジャー最多の48本塁打を放ちエンゼルス大谷翔平とMVPを争ったブルージェイズのウラジーミル・ゲレロ内野手、通算139本塁打のレッドソックスのラファエル・ディバース内野手、通算125本塁打を放ち20年首位打者に輝いたパドレスのフアン・ソト外野手、昨季新人王に輝いたマリナーズのフリオ・ロドリゲス外野手……とメジャーでもスーパースター級の選手で占められる。
投手陣には100マイル(約161キロ)超えの剛速球を持ち昨季サイ・ヤング賞に輝いたマーリンズの右腕サンディ・アルカンタラ、昨年6月とワールドシリーズ第4戦で先発投手として継投ノーノーを1シーズンに2度達成したアストロズの右腕クリスチャン・ハビエルらが名を連ねる。さらにクローザーには昨季30セーブを挙げたフィリーズの左腕グレゴリ・ソトや、昨季27セーブをマークした最速104マイル(約167キロ)のジャイアンツの若き剛腕カミロ・ドバルも控える。
ミラー氏が半ばあきれながら(?)話すように、率直に言ってドミニカ共和国は「めちゃめちゃ強い」のだ。
「優勝はドミニカ共和国と予想しています。メジャーで若手ナンバーワン選手のロドリゲスやメジャーの三塁手でベスト3に入るマチャドに、ソト、ゲレロ、ディバース、さらにはメジャーベスト先発投手の1人であるアルカンタラと、すごいメンツ。わかりやすく言えば、投手の大谷翔平が3人くらいいて、打者の大谷翔平が4、5人いるようなものです」
プエルトリコもエグかった…
「最強」ドミニカ共和国に加えて、ミラー氏が考える優勝戦線には全4チームがひしめく。優勝候補順では、2位に日本、3位に米国、4位にプエルトリコの名前が挙がった。
「アメリカは先発投手陣にドジャースのベテラン左腕クレイトン・カーショーが加わったのは実にクールですが、先発投手陣が他チームに比べて弱い。プエルトリコはWBCではいつも、リードしてからの試合運びがうまいチーム。打線にはメッツのフランシスコ・リンドアというスター遊撃手がいて、彼のプレーを見るだけでも価値がある。投手陣には世界でもベストクローザーと呼べるメッツの右腕エドウィン・ディアスがいますが、先発エースであるカブスの右腕マーカス・ストローマンはかつてほどの信頼感はなく、こちらもアメリカ同様、先発の投手力が弱点かなと。
残る日本は、第1回大会から2連覇を果たした実績があり、アメリカやドミニカ共和国など優勝を目指す他のチームにとって警戒すべき相手。ただアメリカから見たら、“ミステリアスな存在”でもあるんです」〈つづく〉
〈「米名物記者によるWBC日本代表評」とあわせてお読みください〉