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〈マンガ〉「車掌・藤井聡太王将、たこ焼き屋の羽生善治九段もイイけど…」観る将が推す名場面「連続王手回避+1分将棋で大逆転が!」
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph byJunsei Chida/日本将棋連盟
posted2023/02/01 17:00
観る将マンガ家が描いた「2023年1月の将棋ハイライト」。過去のイラストは関連記事からご覧になれます!
まず、泊まったホテルの4階が対局場だったのですが、エレベーターの4階のボタンがフタで覆われていて、押せないようになっていたのはビックリしました。やはりそれだけ特別な空間なのだなと。
それとともに旅行後、自分たちの部屋で対局者2人が頼んだ「和音」などのおやつを、ABEMA師弟トーナメントを見ながら食しました。この時点で十分、将棋を味わっている説がありますね……。
2)藤井五冠でも勝ち抜けない?ABEMA師弟トーナメント
先ほどABEMA師弟トーナメントの話に少し触れたので、こちらで詳細を振り返ればと。その名の通り、師匠と弟子がタッグを組んで早指しフィッシャールールで戦う非公式戦ですが、対局とチーム動画、相変わらずどっちも面白い!
公式戦勝率が8割オーバーと圧倒的な強さを見せる藤井五冠ですが、初参戦となったチーム杉本(杉本昌隆八段/藤井五冠)で臨んだ今大会、1勝2敗で予選リーグ敗退に終わりました。
久々のフィッシャールールで木村一基九段相手に敗戦を喫するなど、さすがの藤井五冠でも対局ルールが変わると慣れるまでズレを感じるんだなあ、とも。ただチーム動画では運転シミュレーションを体験して「次は三重です」という車掌姿(実際のアナウンスで観たいくらい)、対局では師匠・杉本八段の対局を無言で見続ける「20分動画」など、やはり絵になる……妻氏は「ずっと見てられる」と大絶賛でした。
マンガ的にとてつもなく描きやすいのは、チーム中田(中田功八段/佐藤天彦九段)の動画。ファッショナブルな着こなしの「貴族」こと天彦九段プレゼンツで、ガチの「貴族体験ツアー」をしていました。
天彦九段は中世ヨーロッパ文化に造詣が深く、フランス城主会会長にも認められた「コーマル城」(関東近郊にそんなところあるのか!)へと足を運ぶと、本格的な貴族の衣装をまとうという。これだけでも貴族ファンと漫画家の僕は大歓喜かと思いますが(笑)、チェンバロを優雅に演奏したり、鷹狩りをしたり……想像以上にガチな貴族っぷりの天彦九段に「すごすぎるんですけど」と畏敬の念の師匠・中田八段の構図があまりにも微笑ましかったです。
チーム動画、対局ともに胸を熱くさせてくれたのはチーム豊川(豊川孝弘七段/渡辺和史五段)です。準決勝で惜しくも敗退となりましたが、渡辺五段の獅子奮迅の活躍には“推し”である妻氏も大興奮。さらにはチーム動画で豊川七段の地元・博多の料亭を訪れた際の“感動シーン”を見たことで、こちらも推しである浦和レッズが「福岡遠征する際にこの料亭絶対行くからね」とやる気満々になっています(笑)。
そのチーム豊川との熱戦を制したチーム深浦(深浦康市九段、佐々木大地七段)が決勝進出を決めました。仲良し師弟で知られる2人は、チーム動画で楽しそうに高尾山登山を敢行したように――頂点へと上り詰めるのか、それとも? 目が離せません。