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「左SBとして世界トップ5に入る」
長友獲得に固執したインテルの実情。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2011/02/04 12:30

「左SBとして世界トップ5に入る」長友獲得に固執したインテルの実情。<Number Web> photograph by Getty Images

アジア杯期間中もうなぎ登りに評価を上げていた長友。

 ザッケローニ効果もあり、イタリア国内で注目度の高かったアジアカップでも、獅子奮迅の活躍で優勝に貢献。1月の間、セリエAでまったくプレーしていないにもかかわらず、長友の市場評価はカタールでの1試合ごとに上昇した。大会後『ガゼッタ・デロ・スポルト』の国際サッカー専門版『エクストラ・タイム』紙は、長友をこう評価している。

「左SBとして、現時点での世界トップ5に入る」

 市場期限ギリギリの1月31日、インテルの移籍市場戦略部門を司るスポーティング・ディレクターのマルコ・ブランカは、最終的にレンタル放出したサントンの他にも、交換条件として複数の期待の若手選手の名前をチェゼーナに提示し、どうしても長友獲得にこだわったという。

「ザッケローニに何度も長友について話を聞いた。彼は太鼓判を押してくれたよ」

 すべての市場取引が終わった後、かつてミラン時代にその薫陶を受けたレオナルドは満足そうにこう語っている。

 長友は、イタリア代表FWパッツィーニらとともに、逆転スクデットのための切り札として呼ばれたのだ。

チェゼーナとは次元の違うプレッシャーの中で問われる真価。

 インテルの左SBといえば、前会長でもあるファッケッティを始めとして、ブレーメやロベルト・カルロスに連なる系譜を持つ“裏の”花形ポジションだ。一方で、グレスコやココなど期待を裏切った選手も多い。近年、ついに常勝軍団となったインテルには毎試合勝つことが義務付けられ、長友はそのプレッシャーとも向き合わなければならない。

『イル・ジョルナーレ』紙は「チェゼーナでうけた冗談は、インテルでは必要ない」と、勝利へのプレッシャーが少ない地方チームレベルの覚悟では通用しないと強調しており、早速手厳しい歓迎を受けている。

 新チームに合流した翌日となる2月3日には、アウェーとなるバリ戦で早速ベンチ入り。

 デビューこそは叶わなかったが、ロスタイムに派手な2ゴールを決めたスナイデルら新チームメイトたちのプレーに、長友はさらに刺激を受けたにちがいない。

 CL決勝トーナメントを含め、ここから先にあるのは、トップクラブのみが味わえる、ゾクゾクするようなゲームばかりだ。

「目指すのは、世界一のサイドバック」と口にする長友。

 その行く手に降り注ぐのは、罵声か、ハレルヤか。長友佑都のイタリア挑戦第2章が始まった。

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