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「クボ股抜き突破弾に満点+ダービーMVP」「リバプールも翻弄ミトマに英メディア注目」久保建英と三笘薫が“W杯後も高評価”なワケ
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byKiichi Matsumoto/JMPA
posted2023/01/15 17:12
久保建英と三笘薫はW杯後、所属クラブでも輝いている
久保は2-1となった後半にも仕事をする。
60分に相手のパスミスを契機に相手最終ライン裏に飛び出すと、PKを誘発する。このプレーで相手DFジェライを退場に追い込み、負傷離脱していたミケル・オヤルサバルの復帰後初ゴールを“プレゼント”するなど大車輪の活躍。バスクダービーという大一番でMVPに輝いた。さらに現地紙「AS」電子版の試合後採点でもこの日ただ一人の「3点満点」評価を受けた。
バルセロナから帰国を余儀なくされた2015年3月、久保はFC東京の下部組織に所属した。中学3年にしてU-18へ飛び級、2017年11月にはプロ契約。トントン拍子で階段を駆け上がった。
だが実質プロ1年目となった2018年は「17年生きてきて初めての挫折」を経験する。徐々に出場機会が減っていく状況を前に、久保は移籍を志願したのだ。レンタル先の横浜F・マリノスできっかけを掴むと、半年後にはFC東京に復帰。その決断と活躍が、その後のレアル・マドリー移籍へとつながった。「活躍の場」を作り出すことが、自身の価値を高めると10代の頃から意識づいていたことは間違いない。
ソシエダという“輝ける活躍の場”
再びスペインに渡った久保はマジョルカにビジャレアル、ヘタフェを経て再びマジョルカ……とクラブを移った。そして迎えたリーガ4年目、シルバやブライス・メンデス、ミケル・メリーノにセルロートら頼れる仲間と連動している。「ラ・レアル」の愛称で知られるソシエダで遂に“輝ける活躍の場”を見つけた印象だ。
シーズン開幕前、地元紙の取材に応じた久保は得点とアシストで「20ゴール」に絡むという目標を挙げていた。ビルバオ戦前には2試合連続でアシストが取り消されるなど少々不運な面はあるが、ハイプレスの守備など数字に表れない部分でも貢献度が大きく、さらにここまで公式戦20試合で3得点4アシストを記録している。勢いに乗るソシエダの中でそのペースを上げれば、価値をさらに引き上げるはずだ。
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