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カタールW杯の“斬新過ぎるマスコット”ライーブの熱狂が凄かった! 現地取材した記者が空港で買った“ぬいぐるみ”の値段は…

posted2023/01/14 06:00

 
カタールW杯の“斬新過ぎるマスコット”ライーブの熱狂が凄かった! 現地取材した記者が空港で買った“ぬいぐるみ”の値段は…<Number Web> photograph by Getty Images

帽子をつけて観戦するファンが急増するなど、話題を集めたマスコット・ライーブ

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松本宣昭

松本宣昭Yoshiaki Matsumoto

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『Sports Graphic Number』で好評連載中の「スポーツまるごとHOWマッチ」を特別に公開します! <初出:1065号(2022年12月22日発売)、肩書きなど全て当時>

 カタールW杯中、現地の取材陣やファンの間では“彼の不在”を嘆く、こんな会話が挨拶がわりになっていた。

「ライーブ、売ってた?」

「ない。全然ない。FIFAショップの店員は『もうすぐ入荷する』って言ったのに……」

 ライーブとは、アラビア語で「超一流の選手」を意味する大会公式マスコットのこと。このライーブグッズが、北京五輪のビンドゥンドゥンに負けず劣らず完売状態となった。

 マスコットと言えば、犬やパンダなどかわいらしい動物をモチーフにしたものが一般的。ところがライーブは、カタール男性の民族衣装トーブをモチーフにした斬新なキャラだ。“超一流選手”だけあって、過去のW杯全大会に参加し、サッカー史に残る数々の象徴的なゴールなど名場面に貢献してきたという驚きの経歴(設定)を持つ。中でも1986年大会準々決勝、アルゼンチン対イングランド戦でマラドーナが決めた“神の手”ゴールは、実はライーブが右手(右袖)で押し込んでいたとカミングアウトするのだから衝撃だ。

品切れ続出となったライーブグッズ

 ただし、致命的な弱点もある。民族衣装という非生命体をモチーフにしてしまったばかりに、マスコットグッズの定番であるぬいぐるみにすると、立たない……。実際、販売されていたライーブぬいぐるみは、厳重に封をされた箱の中で満面の笑みを浮かべているが、いざ取り出してみると地面にぺったり。自宅に飾るには、頭の上につけられた紐をフックに引っ掛けるしかなかった。

 一方で、民族衣装をモチーフにしたからこそのオリジナル商品が大ヒットした。頭から被る帽子タイプのライーブだ。こちらは各国サポーターがスタンドでコスプレするための定番アイテムとなり、強烈すぎるクーラー対策としても威力を発揮した。気になるお値段は110カタールリヤル。1カタールリヤル=38円換算で4180円なり。

 開幕当初はオフィシャルショップやドーハ市内のショッピングセンターでも大量に売られていたが、11月27日の日本対コスタリカ戦の頃にはすっかり品切れに。“ライーブ帽子難民”が大量発生する事態となった。

 筆者もその1人。ようやく帰国日の空港でぬいぐるみバージョンを発見し、値札も見ずに2個購入すると、レジで震えた。サイズは帽子バージョンより小さいのに、お値段1個199カタールリヤル、7562円。高っ。長引く円安を呪ったカタールラストデーだった。

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