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「ロシア代表vs日本代表が実現する日」ロシアがアジア最終予選を戦う可能性は?「ヨーロッパ(UEFA)を脱退する」報道…ロシアの本音を探る
posted2023/01/13 17:00
text by
ウラディミール・ノバクVladimir Novak
photograph by
Getty Images
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「試合がキャンセルされた」
おそらく読者の方も知っているように、ロシア軍によるウクライナへの侵攻が始まってから、ロシアの代表チームとクラブチームは国際的な公式戦から除外されている。これはFIFAとUEFAからの措置で、ロシアに対する政治的かつ経済的な制裁の一環でもある。
1990年代前半に、筆者の母国でもあるユーゴスラビアが内戦の制裁として科されたものと同じ構図だ。政府の決断や行動の代償をフットボーラーたちが払わされることになり、ドラガン・ストイコビッチやデヤン・サビチェビッチら優れた選手で構成されていたユーゴスラビア代表は、1992年欧州選手権の予選を突破した後に出場権を剥奪され、1994年W杯と1996年欧州選手権では予選から除外された。
現在のロシア代表も、2022年W杯の予選プレーオフから出場資格を剥奪され、EURO2024予選の参加も認められていない。また2022年チャンピオンズリーグ決勝の開催地は、当初予定されていたサンクトペテルブルクからパリに変更された。そしてロシアのクラブがUEFA主催大会に再び出場できるようになるのは、いつになるかわからない(侵攻の終了が見えないからだ)。ロシア・フットボール連合(RFU)はこれらの決定を不服とし、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に訴えたが、失敗に終わっている。
戦争が許されないことは言うまでもない。一方で、ロシアのフットボーラーやアスリートが制裁の影響を受けているのも確かだ。昨年、ロシア代表が行った国際試合は、キルギスやタジキスタン、ウズベキスタンといった旧ソ連諸国とのフレンドリーマッチのみ。11月に予定されていたボスニア・ヘルツェゴビナとの親善試合は、相手国の選手の強烈な反対によりキャンセルされた。
ロシアの脱退…UEFAは許すのか?
戦争がいつ終わるかわからず、このままいけば、ロシア代表は2026年W杯予選にも参加できなくなるかもしれない。そんな可能性を案じたRFUが先ごろ、UEFAからの脱退と、AFCへの加入を模索し始めたと報じられている。