「そもそも現状の部活動システムでは、指導者も限界を迎えています。僕らの世代は学生時代に理不尽なこともたくさんあったので、我慢できることもありますが、若い世代の指導者に『無報酬で日曜も潰して部活をやってくれ』と言っても、よほど好きで、関わりたいと思っている人でなければ無理です。選手も指導者も幸せになるために、ちょっとずつでも稼げる仕組みを考えていかなければならないし、そのために変わらなきゃいけないことがたくさんあると思うんです」

選手に指示を送る梅川監督。着用したポロシャツにはスポンサーのロゴがプリントされている　©︎Naoki Morita/AFLO SPORT

　私欲ではなく、これからのスポーツ界、バレーボール界を見据え、変えるべきものは変えていく。それは高校生にとって憧れの場である春高バレーも同様だ。これまでも梅川監督は試合順や日程などに言及してきた。

「選手ファーストという面で言うと、ダブルヘッダーは危険。故障につながりますし、選手たちには『ダブルヘッダーの日は自分たちの理想のバレーは捨てなきゃいけない』と言っています。実際あの連戦では身体が動かなくなってスピードが活かせなかったり、思うようなバレーもできず、対戦相手の対策も十分にはできません。だから結局は『気持ちで戦え』となってしまう。せっかくいい舞台でできるのだから、お互いフレッシュな状況で、やりたいバレーをぶつけ合えるようになったらもっといいのかな、とは思いますね」

　選手が見せるバレーボールは進化の一途をたどり、新たな取り組みも次々試され、現場は確実に変わり始めている。

　高校バレーボール界に「変化」と「進化」をもたらす駿台学園。新たに広がる可能性と強さを見せつけ、6年ぶりの頂点に立った。

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