クレベルが語った「パトリシオとの違い」とは？

　いずれにせよ、5戦全敗という結果を我々はどう受け止めればいいのか。榊原CEOは「ムチャクチャ悔しい」と前置きしながら、「現状の我々のポジション（立ち位置）」と冷静に振り返った。

「（全敗とはいっても）すごく距離の離れた完敗ではない。試合によっては、非常に接戦の中での攻防が繰り広げられた」

　早ければ2023年にも対抗戦の第2ラウンドの火蓋が切られる。今回はRIZINルールでの日本開催だったので、次回はユニファイドルールでの米国開催となる。試合場は、もちろんアメリカでは総合格闘技の試合場としてスタンダードなケージ（金網）だ。

　筆者がそれまでにどんな強化を図りたいかと聞くと、クレベルは「練習メニューで改善するところはあるけど、大きなそれ（変化）が必要だとは考えていない」と切り出した。

「パトリシオ選手と私の一番の違いは、自分を信じる強さだったと思います。UFC以外のパウンド・フォー・パウンドで彼は1位にランクインしているので、もちろん強い。パンチをもらうことは想定していたので、特にそれが勝敗を分けたわけじゃない」

試合後のクレベル・コイケ。左目上の縫い目が痛々しい　©Koji Fuse

　サトシはAJとの一戦が決まると、今大会にも参戦した元UFCファイターのジョニー・ケースをボンサイ柔術に招聘して対策を練った。対抗戦の第2弾があるとするならば、特別コーチを招聘し、チームJAPAN全体の士気と技術力を高めることも必要になってくるかもしれない。

　昨年6月の『THE MATCH 2022』の開催前には、那須川天心をトップとするチームRISEが合宿を張り、チーム全体で個々のカードの対策を練った。それが実際の試合に活かされたからこそ、K-1との対抗戦で勝ち越すことができたのだろう。

　堀口が指摘するように、海外で武者修行に励むことも一案だ。焼け野原になったリングをもう一度復興させるためには、誰もが自分を信じながら行動に移るしかない。

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