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3度目の堀口恭司戦へ…扇久保博正35歳が語った“覚悟と勝算”「思い切り殴ってくるから、たぶん初詣には行けないだろうな」
posted2022/12/29 17:03
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph by
RIZIN FF Susumu Nagao
「今朝の時点で、あと6.5kg。残り1カ月あるので大丈夫だと思うけど、年齢的なものも含めて、減量には結構怯えています」
11月下旬、千葉県柏市にあるパラエストラ柏。12月31日の『RIZIN.40』で堀口恭司との3度目の対決を控えた扇久保博正は、すでに減量モードに入っていた。無理もない。今回は3年半ぶりのMMAフライ級(56.7kg以下)リミット。加齢とともに階級をアップする選手はごまんといるが、下げる選手はそうそういるわけではない。
「トイレに行くたび一喜一憂」格闘家の減量のリアル
ベテランの域にさしかかった35歳という年齢で、MMAバンタム級(61.2kg以下)から1階級落とす行為は挑戦ともいえる。また、過酷な減量の直後でもベストパフォーマンスを披露するためには、時間をかけ計画的に落としていくしかない。扇久保もそうだった。
「試合が決まったときから、減量に入っていました。もうガンガン節制しています」
1日の総摂取カロリーは1800kcal以内。毎日3食とるように心がけているが、1食ごとの量を減らしていると補足した。
「白米は玄米に代え、肉は鶏。挽き肉にしてもらったムネ肉を茹で、それを玄米にかけて食べています。自家製鶏そぼろ丼。自分で作っているけど、意外とうまいですよ」
ふっくらと炊きあがった白米を食べたくないといったら嘘になる。扇久保は「毎日、大食いの動画ばかり見ている」と打ち明けた。
「減量あるあるだと思うんですけどね。揚げ物? 普段は一切とりません。週1回のチートデイにとるくらいです」
それだけ体重にナーバスだったら、1日数回は体重計の上に? そう水を向けると、扇久保は「数回なんてもんじゃない」と語気を強めた。
「トイレに行くたびに乗り、その数値で一喜一憂しています。精神的に一番よくないということはわかっているんだけど、いまだに同じことを繰り返している……」