情報を遮断する指導では、選手は伸びない

　ただ、はっきり言えることは、「そのチームは監督の器以上のチームにはならない」ということです。私は選手の体幹を強くするために、動的ストレッチやコアトレーニングを取り入れていますが、そのために専門家を外部スタッフとして招へいしています。

　すべてを管理しないと気がすまないタイプの監督は、そういう外部から新しい知識を取り入れることも嫌がります。自分が構築してきた理論を壊されると思っているのでしょうか。おそらく、自分がこれまで言ってきたことを、外部の人間に否定されては困るということだと思います。そういう監督は、自分だけでなく、選手に対しても外部との接触を嫌がります。「他校の選手と話すな」「インターネット、携帯電話の禁止」など、情報を遮断して自分の思いどおりに指導しようとします。悪い言葉を使うと、洗脳です。これでは、あらゆる情報が簡単に手に入る今の選手たちの潜在能力を、伸ばしてあげることはできないと思います。

　ひと昔前の会社には、そういうタイプの中間管理職の人がときどきいました。上の情報を下に伝えず、下の情報を上に上げない。自分に都合のいい情報だけをそれぞれに伝えて、情報をコントロールすることで自らの存在を保つ、というタイプです。

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