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《猪木の願い虚しく》プロレスファンは知っている山田邦子の真実…M-1採点騒動で思い出す、35年前の新日・馳浩がキレた日
posted2022/12/23 06:00
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph by
BUNGEISHUNJU / KYODO
12月18日に行われた若手漫才日本一決定戦「M-1グランプリ2022」は、翌月曜のスポーツ紙も大きく伝えた。
『第18代王者ウエストランド』(日刊スポーツ)
『ウエストランドM-1王者!!』(スポーツ報知)
『毒舌漫才ウエストランド18代目M-1王者』(サンケイスポーツ)
「おっ」と思ったのは火曜のデイリースポーツ(12月20日)。
『“独自採点”大反響 語ったM-1初審査員の舞台裏 山田邦子 「ブレ過ぎ」批判にあっけらかん「的確にやった」』
審査員を務めた山田邦子のインタビューがドーンと載っていたのである。そりゃ読みますよね。“山田邦子の審査”にどれだけ反響があったのか? M-1終了後のネットニュースのタイトルをいくつか並べてみる。
・「ブレっブレで最悪」「2度と審査員しないで」 山田邦子、激怒のM-1ファンに真意説明「公正な審査した」
・山田邦子、M-1での低点数審査に「決勝戦で甘口ばかりもどうかと」 “コメント薄すぎ”の指摘へ「悪いところは言う必要がない」
・『M-1』山田邦子の審査に賛否…300人に聞いた「見てみたい審査員」お笑いがわかると高評価の女性現役漫才師は?
などなどたくさん。では「ブレ過ぎ」とは何のことか。
山田邦子の採点の基準とは?
《トップバッターのカベポスターに84点、2番手の真空ジェシカに95点を付けたことで採点について物議を醸し、「ブレ過ぎ」といった批判も浴びた。》(デイリースポーツ)
これについてデイリーのインタビューで山田は、
「平均点を80点と考えていたんですね。私の中では4点も足したんだからかなりいい点をつけたと思ったけど、みんなが90以上出してきてた」
採点に批判が多かったことに対しては、
「いいんじゃない? それは(番組を)見てるんだから。見てない人より全然いい」
「それぞれの感覚が違うのは仕方ない。全部面白くて、その中の順番を付けていってるのであって、その中で好みは出ると思いますけどね」
「自分では、的確にちゃんとやったなと思います。いろいろ言うヤツは、いつだって言います。もう、私が審査員だって発表になった時から面白くないわけですから」
と答えていた。これらの言葉を読みながら「ああ、また山田邦子さんはすべてを引き受けて自分の仕事を粛々とやっていたんだな」としみじみしてしまったのである。