YouTubeの大食いは「量より、見せ方や容姿」

「テレビの大食いとYouTubeでウケる大食いはまったく違うんですよね。テレビは最低でも7、8kg以上は食べられないと生き残れない世界。でもYouTubeに関しては胃の容量がどれだけ大きいかより、食材の見せ方やサムネイルの上手さ、女性であれば容姿も重要なのだと感じています。やはりデカ盛りが一番インパクトがあるので、人気のYouTuberさんたちは食べ放題より、一つの食材でドカンと打ち出すものが多いですよね」

　近年のYouTubeでは大食いが人気ジャンルの一つ。大食い選手権などで実績がなくても、100万人近く登録者を抱えるチャンネルもある。

　大食いチャンネルが乱立する一方で、テレビでの大食い番組は激減。大食いの舞台がテレビからYouTubeへと移りつつある現状に対して、アンジェラは率直な気持ちを吐露する。

「時代だから仕方ないとはいえ、やっぱり寂しいですよね。どうしてもYouTubeだと人と戦う大食いではなくて、食べ物と戦うものになりますし。

　ただ大食いファンも二通りいて、大食い王のようにガチな真剣バトルが見たい人もいれば、可愛い子が楽しそうにたくさん食べている姿に萌える人もいる。

　例えば競技に近い大食いを見たい人ではMAX（鈴木）さんや菅原（初代）さんの番組で満たされるだろうし、そうでない人はニコニコ食べる女性YouTuberさんの動画を見ているだろうし、ファンが好きな大食いを選べるようになってきていると思います。YouTubeでファンの“大食い欲”が満たされているからこそ、テレビの大食い番組の需要が減っているのだろうと思いますね」

自身のYouTubeチャンネルでも、大食いのチャレンジメニュー挑戦動画などを配信している　©本人提供

近年の大食い番組への苦言「最低限7kgは食べないと…」

　2000年代の『元祖！大食い王決定戦』や『フードバトルクラブ』など、かつてはフードファイター同士のガチンコ対決が見ものだった大食い番組だが、近年はタレントやアイドルの参戦も目立ち、大食い競技とバラエティの境目が曖昧になりつつある。

　現在のバラエティ色の強い大食い番組はアンジェラの目にどう映っているのか。

「個人的には競技大食いとバラエティがしっかり棲み分けできていれば共存していくべきだと思うんです。私がデビューした当時はギャル曽根さんや三宅智子さんがタレントのように映し出されていましたが、彼女たちは実力がある上に、食べることの楽しさを伝える力があったから受け入れられたのだと思うんです。

　ただ最近は食べられないのに出場している子も多いように感じていて。中には表向きの胃の容量と実際食べられる量に隔たりがある子もいます。真剣に取り組んできた分、どうしてもピリッときてしまうというか……。私としては最低限7kgは食べられないと出場資格はないかなと思っているので、そこは実力主義であるべきだと思いますね」

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