- #1
- #2
Sports Graphic Number MoreBACK NUMBER
「いやいや、オレは優勝目指してるから」本田圭佑25歳が明かしていたW杯優勝のイメージ「グループ突破って、どんだけ低い目標なん!?」
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byTamon Matsuzono
posted2022/11/27 17:11
2010年南アW杯の翌年、CSKAモスクワでプレーしていた本田圭佑に直撃インタビュー。W杯優勝のイメージを明かしてくれた
「サッカーを知っている人と話すっていうのはいいんですけども、サッカーとは違う世界の人との出演のオファーが来ると、オレはどのレベルで会話をすればいいのかと思ってしまう。タレントさんに質問されて、オレはどうすればいいのか。そんな気を遣って仕事なんてしたくないから。出るなら、常にガチで話したいから」
――自分を平均のレベルに合わせるのが嫌なんだね。
「見ておもしろいって思う人がいるかもしれないけど、子供が本当に見たいのはそういうものではないと思う。子供っていうのは、ガチに憧れる。だって小さい頃は、将来は大金持ちになりたいとか、イタリアのACミランの選手がカッコいいとか思いませんでした?」
――子供の憧れはすごくシンプル。
「だからサッカー選手っていうのは、カッコつけなきゃあかんのですよ。カッコつけて当たり前。カッコつけることに慣れなあかん」
――簡単じゃなさそうだね。
「それが普通になればいいんですよ。僕なんていうのはカッコつけることが当たり前になっていますから。だって毎日、すぐそこにカメラがあると思って生活してますから。サッカー選手は、カッコよく振る舞うことを人格にしないと」
作った人格が、本当の人格になる
――そういう考え方の選手は初めて会ったよ。
「極端に言うと、僕の場合、無理をして先に人格を作っちゃうんですよね。ヒーローとしての人格を作って、普段からそう振る舞うようにする。それを続けていたら、自分の本物と重なるんですよ」
――人格が追いついて来るということ?
「そう! 作った人格が、本当の人格になるんです。そうしたらホンマにカッコイイ本田圭佑ができあがるんですよ。だから1日1日が本当に大切になってくるんです」
ミネラルウォーターの瓶がほぼ空いた頃、本田は質問をしてきた。