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三笘薫も驚き「ここでやるとは…」あのドイツ戦ハーフタイムに何があったのか?「ぶっつけ本番」の3バックでも迷いが生まれなかったワケ
posted2022/11/25 17:01
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Takuya Sugiyama/JMPA
監督就任から59試合目で見せた、驚くべき采配だった。
カタールW杯の大会4日目となる11月23日、日本がグループステージ初戦を迎えた。9月の欧州遠征から主戦術へ戻した4-2-3-1でスタートするが、ドイツのビルドアップに規制をかけられない。森保一監督が目指す「いい守備からいい攻撃」へつなげることができず、ほぼ自陣での攻防を強いられる。PKによる1失点でどうにかハーフタイムへ辿り着くと、森保監督が大胆な策を打つ。
試合終盤のオプションと見られてきた3バックを、後半開始から採用したのだ。4-2-3-1で2列目左サイドを担当していた久保建英を下げ、冨安健洋を送り出す。最終ラインは右から板倉滉、吉田麻也、冨安の3バックとなり、酒井宏樹が右の、長友佑都が左のウイングバックへポジションを上げた。
大胆なシステム変更に選手たちの反応は…
「前半は僕らCBとボランチの間のスペースを使われていた。そこがドイツの特徴なのは分かっていたけど、なかなかタイトにいけなかった」
こう語るのは板倉だ。日本の守備陣をとりわけ悩ませていたのは、トップ下のトーマス・ミュラーと2列目左サイドのジャマル・ムシアラだった。吉田が言う。
「ミュラーとムシアラがいやらしいポジションを取ってきて、つかまえるのが難しかった。ハーフタイムにそこをはっきりしよう、と言っていたんですが、後半から3バックに変えたことでバッチリとハマった」
システム変更の意図は、板倉もすぐに理解した。
「ムシアラに持たれると怖かったし、後半もピンチは作られましたけど、役割ははっきりしましたし、あそこを自由にさせないという話はしていました」