古江の淡々としたゴルフは、数字にも表れている。ドライバーの平均飛距離248.65ヤードは全体の133位。ドライバーの正確性は84.04%で、全体の8位にランクイン（データはいずれも11月20日現在）。強者が揃うツアーの中でも自分のゴルフができるメンタル面の強さが「1勝」につながった。

　優勝争いをしていても「あまり緊張することがない」と話す古江。しかし、年間優秀選手を表彰する「ロレックスアワード」では、いつもとは違う姿があった。

　最終戦の第1ラウンド終了後、ゴルフウェアからドレスに着替えて出席。式典では11名の初優勝者が次々と名前を呼ばれ、古江もそれに並んだ。表彰が終わると、司会者が「初優勝者たちにいろいろ聞いてみましょう」とインタビューを開始。古江の隣にいたジェニファー・カプチョ（米国）にマイクが進むと、「どうしよう、と緊張しました。喋れないよって（笑）」とドキドキが止らなかったと苦笑いする。

©︎Shizuka Minami

英語上達はディズニー映画のおかげ

　流暢な対応にはまだ時間がかかるが、古江の英語力は着実に上達した。大好きなディズニー映画のおかげだという。

「普通の映画も見るのが好きですが、元々ディズニー自体すごく好きで。アプリを入れたことで、移動時間など空いた時間に見るようになりました」

　音声は英語で字幕は日本語。日本語の字幕がないときは英語の字幕で見る。「映画を見るようになって、（前よりも英語が）耳に入りやすくなったと思います」と手応えを掴んでいる。

　語学力はアップし、初優勝を含むトップ10入り4回。キャディのマイク・スコットとも円滑にコミュニケーションをとれている。

©︎Shizuka Minami

　それでも最終戦を前に、自身のルーキーイヤーを「70点か、80点」と評価した。

「メジャーで3つも予選落ちしているのが……。レベルがすごい高いところではあるんですけど、そこで落ちてるのが悔しいっていうのがある」

　来季の目標はメジャーで4日間戦い抜くことを挙げている。

「試合を重ねながらになるんですけど（米ツアーでは）いろいろな芝があるので、どんな芝にも対応できるようにしたいなと思います。それからボールを高く上げて止めるショットができれば、ゴルフの精度が上がるかなと思うので、そこはトライしてみたいなと」

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