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プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
結婚願望も封印? “スターダムのアイコン”岩谷麻優がガチで狙うIWGP女子王座「KAIRIは一番負けたくない相手」《特別グラビア》
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2022/11/17 11:04
“スターダムのアイコン”と称される岩谷麻優。11月20日の新日本プロレスとの合同興行のメインで、新設されたIWGP女子王座をかけてKAIRIと対戦する
「KAIRIがこうして戻ってきて、スターダムに上がるようになるとは考えもしませんでした。しかもまさか、久しぶりのシングルがIWGP女子のタイトルマッチになるなんて、数カ月前には想像もできなかった」
そんな相手と、どんな思いで対峙するのか。
「お客さんにしたら、これが“エモい戦い”なのかもしれない。でも、私にはこのリングに上がり続けたプライドがある。KAIRIは一番負けたくない相手です。たしかに世界で活躍してきたレスラーですけど、たとえどんなにズタボロにやられても、必死で勝ちに行かなければいけない」
岩谷は少し考え込んだ。
「自分がもし、すごくWWEに行きたい気持ちがあったら、こんなふうには思わないのかもしれない。でも、私はWWEに興味がなかったし、KAIRIが向こうでどんな扱いをされていようが、素のKAIRIしか知らないので。『ああKAIRIが戻ってきたんだな』くらいの感じです。WWEスーパースターと言われていても、呼び方が違うだけ。私はスターダムの選手もスーパースターだと思っていますから」
岩谷はKAIRIとの最後の戦いを思い出していた。
「前回は白いベルトの王者がKAIRI、そして挑戦者の私が勝った。5年ぶりの対決がIWGP女子王座戦。もちろん、連勝しますよ。KAIRIには負けません」
IWGPのベルトに「取り憑かれていると思います」
筆者の印象として、IWGPトーナメントを戦う岩谷は一層「怖く」なっている。以前、鹿島沙希戦で見せたものとは違う怖さだ。何かに、いや、IWGP女子というベルトに取り憑かれているようにも見えた。
「久しぶりに、いっぱいいっぱい」と岩谷は表現した。その必死さは、渡辺桃や林下詩美との戦いにも表れていた。
「今までもこれに似た緊張感はありました。赤いベルトを保持していたときや、新日本プロレスのリングに上がるときがそうだった。それに比べたら、最近はどこかしら余裕があったんですけど、このIWGP女子のトーナメントはめちゃくちゃ緊張しています。『5★STAR』とも違う重みがある。お客さんの見る目も違う。試合をするのが怖いくらいです。この2試合の後の写真は、顔のペイントがなくなってスッピン(笑)。こんなに技を受けるのも久しぶりだし、とにかくがむしゃら、必死です。精神的に追い詰められていますね。『絶対に残るんだ』と自分に言い聞かせている。たしかに、取り憑かれていると思いますよ」